書き起こし【ノーコード分科会】No-Codeの「DB設計」について語ろう!~Bubble会~ | まほウェブ でも書き記しましたが、様々なノーコードツールを使って開発していくうえで、1つの関門となってくるのがデータベース設計。 "データベースを制する者はノーコードを制する"と界隈では言われるほどです。
そこで本記事では、 No-Code | ノーコード ツールを使いこなしていくためのデータベース設計の学習・勉強にオススメな本・書籍・動画をご紹介します。
目次:
そもそもデータベースとは?データベースと表との違い
「データベースは、エクセルのような2次元形式の表である」と言われたりもしますが、データベース=表ではありません。
たとえば表では、1つのセル内に複数の値を入れることがありますが、データベースではこれはNGです。
「1つのセルのなかの値は、1つの値(スカラ値)でなければならない」というデータベースの原則があるのです。(厳密には複数の値を入れることが可能なものもありますが、原則では不可です)
また、(リレーショナル)データベースには特定の列と特定の列とを関連付けることができる、「リレーション」という機能・特性があり、このリレーションをうまく使いこなせるかがノーコードにおけるデータベース設計での大きなポイントとなります。
ノーコードツールを触りながら、データベースとはどんなものかを知る
上記のようなデータベースの特性を理解しながら学ぶには、触りながらデータベースに触れてみるのが一番です。
データベースを学習するうえでオススメなノーコードツールを2つ、以下に紹介します。
Airtable
Airtable | Create apps that perfectly fit your team's needs
Adalo
Adalo - Build Your Own No Code App
データベース設計について、動画で現場の理論とER図の書き方を学ぶ
ER図について学ぶのに非常にオススメなのが、下のYouTube動画。
せお丸のプログラマー養成講座 データベース入門講座 - YouTube
過不足なく必要なところだけ、そして難しい表現なく分かりやすくデータベース設計について説明されています。
ノーコード学習においてはSQLの部分は不要なので、下記リンク先動画の #1〜#3 の3本だけを何度か観ると良いでしょう。
データベース設計入門#1 リレーションとER図【11分でマスター!DB設計】 - YouTube
データベース設計入門#2 正規化|無駄のないテーブル設計とは?【日本一わかりやすくDB正規化を解説します】 - YouTube
動画のノウハウで、「多対多のリレーションには中間テーブル(交差テーブル)を用いる」と説明されているところがありますが、たとえばAdaloにおいては直接N対Nのリレーションを設定することができます。
このあたり、ノーコードとYesコードで若干の違いがありますが、Yesコードでの設計手法は大変参考になるので上手くノーコードでも変換して用いるようにしましょう。
ノーコードでトライ&エラーでWebアプリを作る。ER図を書いて設計してみる
データベース設計の流れ一例
・自分が作りたい事例のDB設計をまず自身で考えてみる • 似た既存のDB事例を調べてみて、良いと感じた構成を取り入れる • 制作する際は、まずアバウトに作ってみたあと、一旦すべて壊してから再度作りなおす • DB処理パフォーマンスが最適なものになるようチューンナップしていく
書き起こし【ノーコード分科会】No-Codeの「DB設計」について語ろう!~Bubble会~ | まほウェブ
ER図を書くときのツールは”drawSQL”が直感的に使いやすくオススメ
DrawSQL - 🔥 Database schema diagrams
私もER図を描くときはこちらのDrawSQLを利用しています。
直感的にER図を描けるのが特徴的で、修正・編集も容易です。ノーコード開発の際のデータベース設計でも活躍するでしょう。
招待したチームメンバーで編集したり、共有リンクをワンクリックで作成できたり、埋め込みリンクを作成できたりと非常に便利。
ただしメンバー限定アクセスとしたい場合には有料プランへの契約が必要。無料版は基本的にER図へのアクセスがすべて公開状態となってしまいますのでご注意。
さらに詳しくデータベース設計・正規化の理論を書籍で学び極める
達人に学ぶDB設計 徹底指南書 初心者で終わりたくないあなたへ
達人に学ぶDB設計 徹底指南書 初級者で終わりたくないあなたへ | ミック |本 | 通販 | Amazon
ノーコード開発であれば全てを読む必要はなく、3章〜5章、7, 8章を読むと良いでしょう。ちょうど半分くらいの文量です。
正規化の理論について分かりやすく説明されています。
前述した せお丸のプログラマー養成講座 データベース入門講座 でも正規化について概要としての説明がありますが、「従属関係」という考え方を本著で知り、より正規化について深く理解できました。
楽々ERDレッスン
楽々ERDレッスン (CodeZine BOOKS) | (株)スターロジック 羽生 章洋 |本 | 通販 | Amazon
2006年初版発行と新しくはない本ですが、「ERDレッスン」と銘打っているだけあってER図設計についての演習問題が豊富です。
1, 2, 3部の3部構成ですが、1,2部の理論は飛ばして第3部の演習だけやるのが良いと思います。
私は少し冗長な説明と感じてしまい、あまり理論の説明が頭に入ってきませんでした。私が知識不足なだけかもしれませんが。
第3部の演習については例が身近で、イメージしやすいです。たとえば下記のような事例が演習問題となっています。
- (飲食店の)お持ち帰りご注文用紙
- 図書館の予約申込書
- 病院の受付伝票
合計で9つのケースの演習問題があり、それぞれについてER図の設計方法について解説があります。
理論は 達人に学ぶDB設計 徹底指南書 初級者で終わりたくないあなたへ で、ER図・設計の演習は本著で、という使い分けをオススメします。
グラス片手にデータベース設計 シリーズ
グラス片手にデータベース設計 販売管理システム編 第2版 (DB Magazine Selection) | 梅田 弘之 |本 | 通販 | Amazon
先述の 楽々ERDレッスン が9つの演習問題で網羅的に設計を解説しているのに対して、こちらは1つのシステムを要件設計から深く掘り下げていく形式です。
シリーズには
ノーコード開発ではなかなか本著までの知識は不要かもしれませんが、実務での設計手法を事例に即して解説してもらえるのは興味深く、現場や運用に即したナレッジが得られると思います。