ライティングで「記事のアウトライン・構成や、ざっくりとしたアイディアまではすぐに思い浮かぶのだけれど、そこから先、本文や詳細部分まではなかなか記事執筆の筆が進まない…!」という体験をしたライター、サイト・ブログ運営者の方は多いのではないかと思います。
個人的には、アイディアや仮タイトル、アウトライン・構成の段階と、詳細な記事本文作成のあいだには、大きな溝が横たわっているのではないかと考えています。
だからこそ、要件や仮タイトル・アウトライン・構成までをディレクターが共有して、そこから先はライティングのお仕事としてライターが 記事作成していく、というライティングフローが取られることが多いです。
ここで、ある程度の調査までが完成していれば、本来はすらすらと筆が動いてきても良いはず。 しかしこれが人間の不思議なところで、これらの情報をどのようにつなげるか、というところがクリエイティブな部分であり、なかなか書き始めることができないものです。
そこで私は今実験的に、「記事の構成だけアウトライナーで作成し、ざっくりとした構成ができたらpodcastで音声配信を行う。配信中に思いついた内容をメモしながら、深掘りしていく」という発信方法にチャレンジしています。
参考(少し前に考えていた別のPodcastを利用した情報発信の方法です):
このアウトライナーとして、"Notion"を活用することで、「アウトライン→Podcast配信→掘り下げ→文字起こし・編集依頼→公開」までをシームレスに一貫して行うことができると考えています。
以下、具体的なNotion × Podcastの活用方法と注意点をご共有します。
- Notionでアウトラインを作成する
- 見出し2(大見出し)レベルの、ざっくりとした構成でOK
- おすすめのアウトライナーはNotion。そのまま公開までスピーディー
- Podcast音声配信で、Notionアウトラインを深堀りする
- 深堀りしたNotionアウトラインにPodcastを埋め込み、そのまま公開する
- 必要であれば、書き起こし・編集を依頼する
- 編集が済んだ文章を公開して、完了
Notionでアウトラインを作成する
見出し2(大見出し)レベルの、ざっくりとした構成でOK
ブログ記事でいう見出し2(記事内でのもっとも大きな見出し)レベルまで
見出しだけ、構成だけという意識でざっくりアウトラインを書く
場合によっては見出し3でもよい
もしノッてきて本文が書けるならどんどん書く
おすすめのアウトライナーはNotion。そのまま公開までスピーディー
Notionでアウトラインの作成から、podcast音声配信でのキーワード記録までを一貫して行えば、後はそのままウェブサイト・ブログとして公開させることができます。
Podcast音声配信で、Notionアウトラインを深堀りする
おすすめのPodcast配信スタンドは Anchor - The easiest way to make a podcast です。
Anchorは様々なPodcastプラットホームへのコンテンツ配信を代行してくれる、Podcast配信ツールです。たとえば、Anchorで録音・配信するだけで下記複数のPodcastに自動的に配信してくれます。
- Google Podcast
- Apple Podcast
- Spotify
など、上記にとどまらず数十のプラットホームへの配信を代行してくれます。
特にGoogle Podcastは検索結果画面にも表示されます。
SEOを狙わないのであれば、Anchorでない国内の配信プラットホームへの投稿でも良いかもしれません。
配信するときは、"自動的に自分の口に書かせる" つもりで。
作成したアウトラインに基づいて、話していきます。
雑談形式でOK。必要であれば先んじてリスナーに前もって雑談形式であることを話しておく。
話していくときに、自分の口から出てきた見出しに関するキーワードをどんどんメモに書き留めておく。
Podcastで音声配信をしていくと、不思議と話題がドンドンと思い浮かんでくるもの。1人で黙り込んでライティングしているときには出てこなかった考えやアイディアが、脳の他の部分が使われることによって活性化されてくるのではないかと思います。
よく居酒屋などの飲み会で新規事業のアイディアや、面白いアイディアが生まれたりすることがあると言われますが、リラックスした状態で「話す・しゃべる」と言うことによって脳がフロー状態に陥り、どんどんとコンテンツが生まれてくるのではないかと思っています。
Podcast配信が「リラックスした状態」かどうかは微妙ですが、慣れてくるとTwitterの音声配信・雑談バージョンとして配信していくことが可能です。
そもそもpodcastの利点は「発信する側の気楽さ」「聞いている側もながら聞きのできる気楽さ」という、いかに気楽にコンテンツを発信、受け取ることができるかと言う点にメリットがあります。
深堀りしたNotionアウトラインにPodcastを埋め込み、そのまま公開する
深堀りした記事は、Super.soやWraptas経由でそのまま公開してしまいましょう。
NotionをWebサイトとして公開する方法 : SuperとWraptas(Anotion)
独自ドメインにこだわらないのであれば、素のNotionで公開しても問題ありません。
公開する際、可能であれば記事内に録音したPodcastを埋め込むようにしましょう。
記事文末に埋め込むことをおすすめしています。記事頭だとファーストビュー表示時にiFrameの読み込みに時間がかかり、ページの表示速度が遅くなりSEO面で問題となりやすいためです。
あまりにアウトラインすぎてレジュメのような役割しか果たさないという場合には、記事頭にiFrameとして埋め込むか、表示速度を邪魔しないURLリンクの形で記事頭に設置しましょう。
たとえば
必要であれば、書き起こし・編集を依頼する
高品質な記事コンテンツを鬼速で作成。「podcastライティング術」 | まほウェブ で説明したとおり、文字起こしをしたのみだけでは、読める代物ではありません。
話し言葉であることや、「こそあど」の指示語が多いことなどが要因です。
また流れも論理的でないことが多いです。
必ずしも論理的である必要はありませんが、読み手にとってストレスのない流れであることは必要だと考えています。
そこで、公開したアウトラインとは別に「ちゃんとした文章形式で公開したい」という場合には「編集者・ライター」の手を借りる必要があります。
自身で編集してもよいのですが、ここはコンテンツ配信スピードを高めていくために、外部へ依頼することをおすすめしています。
この編集者・ライターへの依頼の際に便利なのが、Notionアウトラインを共有する、ということです。
編集者・ライターも音声だけでなく、アウトラインがあるほうが圧倒的に作業しやすいです。
編集者・ライターの負担を少なくし、仕上がりスピード向上や価格交渉ができるように依頼者側でも工夫をしていきましょう。
さらに工夫する方法として、AWSのAmazon TranscribeやGCP Speech to Text などの各種クラウドサービスを利用し、粗目の文字起こしを済ませてから発注する、という方法があります。
実際に私は上記の方法で依頼し、「やりやすかったです」との感想をいただけました。
仕上がりスピードや価格交渉にも貢献したと思います。
編集が済んだ文章を公開して、完了
公開先として、Notionブログとして公開するのか、別のWordPressブログとして公開するのかは2つの方法があります。
公開先をNotionにするか、他CMSにするかは運営スタイルや好みによって分けてしまって良いと思います。
もしWordPressブログなど他CMSで既に運用している、という方なら文字起こし・編集した記事についてはWordPressを公開先にしても良いでしょう。
アウトラインとは異なり、音声配信を文字起こし・編集したものはコンテンツに公開後に変更を加えることが少ないためです。
また、アウトラインと書き起こした記事をリンクでつなげることで、SEO面でのメリットも望めます。