自社サーバーや契約クラウドサーバー上に、自前ホスティングでDropboxのようなクラウドストレージを構築できるOSSパッケージ、Nextcloudのストレージ容量エラーでファイルをアップロードできない場合について。
以前、snapコマンドで構築したNextcloudで、「ストレージ容量がいっぱいです」と言われるようなエラーが発生したとのこと。
構築環境はConoHa VPSのSSD100GBストレージを利用しており、「現在ではせいぜい7GBしか容量を利用していないのにアップロードできないのはおかしい」とクライアントからご相談をいただきました。
目次:
Nextcloudで表示されたファイルストレージ容量のエラーメッセージ
具体的に発生したエラーメッセージは下記。
- 「ストレージがいっぱいで、ファイルを更新または同期できなくなりました」
- 「ここにファイルをアップロードまたは作成する権限がありません 」
- 「いくつかのアップロードのために、サーバーに十分なスペースがありません」
エラーメッセージを素直に解釈すれば「本当に容量が足りなくなったのでは?」と感じますが、画面左下に表示されている容量ではたしかに7GB程度しか使用されていません。
権限エラーとも表示されているので、権限の可能性も考慮しつつ、まずはエラーログの詳細を探ってみました。
Nextcloudエラーログの確認場所
Nextcloudの管理画面に、管理者権限でログインします。
画面右上アイコン > 設定 > 左側バーから「ログ」
ログの内容をみると、下記のように表示されていました。
致命的なエラー「Insufficient space」と表示されているとおり、ログでは実際にスペースが不足していると言われています。
Nextcloud管理画面 > システム から確認しても、実際に空きディスク容量が不足していることが確認できました。
ターミナルから使用されているサーバーの容量を調べる
次に、「本当に管理画面の表示のように、空き容量が不足しているのか?」を実際にターミナルで使用されているサーバー容量を調べてみました。
SSH接続し、ルートディレクトリにて管理者権限で下記コマンドを実行します。
# df -h
99Gあるストレージ容量のうち、実際に95GBが利用されているようでした。
/devディレクトリのうち、vdaで始まるディレクトリの容量を調べます。
# cd /dev
# ls -lh vda*
どうやら、vda/ディレクトリにあるファイルが容量を圧迫しているようです。
ゴミ箱ファイルに大量の未削除ファイルが存在
vdaファイルの中身が何なのか?は実際に調べなかったのですが、とにかく「実際に容量が利用され、サーバーストレージ容量を圧迫している」という事実が判明しました。
ここで「ゴミ箱ファイルの中に未削除ファイルが溜まっているのでは?」とアタリをつけ、管理画面でゴミ箱の中身をチェックしてみます。
ビンゴ。ゴミ箱内に大量のファイルが見つかりました。
このように、Nextcloudではゴミ箱内のファイル容量は左下の「〇〇GB使用中」という容量カウントには含まれないため、気づかないうちに未削除ファイルがストレージ容量を圧迫していたようです。
ゴミ箱内を削除してよいかを確認し、すべてのファイル・フォルダに一斉チェック。
アクション > 完全に削除する ですべてのゴミ箱内ファイルを削除しました。
ゴミ箱内ファイルを削除後、管理画面からストレージ空き容量を確認すると、空き容量が74.6GBまで回復。ConoHa VPSで契約しているストレージ容量の利用実態に近い空きディスク容量となりました。
Nextcloudのゴミ箱内ファイルは定期的に削除する
このように、Nextcloudのゴミ箱内ファイルは自動的には削除されないため、定期的に手動で「完全に削除」することが必要です。
Nextcloudのストレージ空き容量エラー・容量エラーでファイルがアップロードできないときには、ゴミ箱内ファイルを消し忘れていないか?を確認してみてください。
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