クライアント様ECサイト (Shopify) において、Search Consoleの「拡張」項目で「構造化マークアップが追加されていない」旨の警告表示がなされていました。
そこで結論としては、「可能なら構造化データを追加しておいた方がいいですよ。でも構造化データより先に他施策を優先したほうが良さそうです。」とのSEOアドバイスを実施。その際の内容と理由、詳細を共有いたします。
目次:
ShopifyでのかんたんなSEO改善アドバイス3点
このとき、アドバイスした内容は下記の3点。Shopifyでの簡易的なSEO内容となっています。
1: Shopifyでの構造化データの追加はプラグインを利用する
サーチコンソール上の「拡張 」にていくつかの警告が表示されていました。 これは「構造化データが設定されていないので、設置を推奨します」という意味での警告です。
Shopifyではアプリを利用して追加設定できるようなので、下記リンク先を参考に構造化データの追加を推奨します。
参考1: ShopifyネットショップのSEO対策に効果的な「構造化データ」とは?
↑ Shopifyにおいて構造化データを設定すると検索画面上、どのように変化するか?と、構造化データ設定追加のためのプラグインを2つご紹介されています。
参考2: 【Shopify】ShopifyのおすすめのSEOアプリ第二弾【Plug in SEO】
↑参考1記事でも紹介されていたShopifyのSEOプラグイン Plug in SEO の説明記事。このPlug In SEOによって、JSON-LD形式での構造化データの実装が可能になるとのこと。
2: 商品ページに説明文テキストを記載
クライアント様Shopifyサイトには、インデックス未登録ページが数百ページありました。
このほとんどが商品個別ページであり、コンテンツとしてのテキストがないことからインデックスされていない状態。
商品個別ページからも検索流入を得たい場合には、これら個別ページに商品説明などのテキストを加えるとインデックスされやすくなります。
また、前述の構造化データを追加することでもインデックスされやすくなります。
3: 画像のリサイズ・圧縮
Shopifyでは高速化のためにできる施策は多くはないのですが、ECでは画像最適化が大きなポイントとなります。
画像のリサイズ・圧縮の対応をしておくことを推奨。
Shopifyにおいて構造化データの追加は本当に必要なのか?
上記のアドバイスのうち、クライアント様から構造化データの追加に対して下記ご質問を頂きました。
「構造化データが有利に働くのは分かりますが、Shopifyにおいて構造化データを追加することは必須レベルで必要ですか? アプリ導入だと有料となり、手動で追加していくにしても労力がかかるため、どの程度のレベルで必要となるのか、コストに対する効果が出る見込みがあるのか、知りたいです。」
たしかに。近年は特に顕著ですが、SEOでは「コストパフォーマンス」の見極めが重要になってきます。金銭・労力というコストがかかる施策を行う以上、どのくらいのリターンが望めるのかを知りたいというクライアント様の疑問はもっともなものでした。
Shopifyにおける構造化マークアップの効果・優先度について
そもそも構造化マークアップの効果ですが、大きなものとして以下の3点があります。
- クローラビリティの促進 → インデックスされるスピードを速める
- リッチリザルトでの表示(Shoppingタブ検索や画像検索で検出されやすくなります)
- 通常の検索結果画面での表示内容が拡張されクリックされやすくなる(ことがある)
いずれも直接的に順位を上げるというものではなく、「間接的に」順位上昇に寄与するもの。
このうち、1:クローラビリティの促進はGoogleでは明言されていない点なのですが、実際にはロボットからのクロールを促進する効果があるとされています。
つまるところ、構造化マークアップの効果は「サイトに掲載されている内容を、効率的・効果的にクローラーに伝えること。そのことでインデックスされるスピードや順位が更新されるスピードを速める」というものです。
したがって、いくら「効率的に」、「速く」クローラーへ伝えることができても、そもそものコンテンツ品質が悪ければ、いつまで経っても悪い評価のまま。
まずは「コンテンツ品質」ありきです。十分にサイトのコンテンツの品質・量を確保できている状態になって、はじめて効率化の手段である構造化マークアップを検討すると良いでしょう。
ただし、「サイト立ち上げ段階」においてはいかに素早くインデックスさせるか?も鍵になります。構造化マークアップを導入することを優先しても良いでしょう。
今回のクライアントサイトの現状を見る限り、そもそもテキストコンテンツがあまりないように思えました。この場合はまず商品ページ内での紹介文作成や、商品を紹介する個別記事を作成していくほうがSEO効果は出やすいはず。
Shopifyで構造化データの追加はSEO上必要なのか?についての結論と優先順位
以上をふまえて、Shopify運用のECサイトで構造化データの追加はSEO上必要なのか?の結論としては下記になります。 ・構造化データは勿論あった方がいいが、いま追加しても十分な効果が出ない可能性 ・優先度としては、コンテンツ追加などの他施策を優先 → ある程度コンテンツが出来上がってきてから構造化マークアップを検討 とお答えさせていただきました。
構造化データの追加に対しては、「コストが高い」と感じられるのであれば無理に取り組む必要はなく、他施策を優先したほうが良さそうという判断です。
以上のように、構造化データの追加によって、ECサイトに最も貢献しそうな点は「インデックス促進」です。
「他施策を一定程度やったが、どうもインデックスされない・インデックスが遅い」と感じた場合には、構造化データ追加を検討してみると良いかもしれません。
テクニカルSEO上重要な意味をもつShopifyの「リダイレクト」について、 Shopifyで独自ドメイン(URL)変更する場合のリダイレクト設定について の記事で解説しています。
URL・ドメイン変更がなくてもリダイレクトの意味と効果、Shopifyでのリダイレクトの振る舞いについて知っておくことは大切。 Shopify上のリダイレクト機能は、「同じドメイン・URL内」でのリダイレクト機能なのです。ページ単位でリダイレクトを設置することがSEO上で効果をもたらす場合も多いです。ぜひ上記の記事も合わせてお読みください。
この記事の気になった箇所を読み返す:
Category: EC