Notionを軽量CMSとして運用してから1ヶ月が経過しました。Notionを利用してこの1ヶ月で執筆・公開した記事は20記事にのぼります。業務の合間にこれほどの記事を書くことができたのは、ひとえにNotionがもつメンテナンス性の高さにあると思います。本記事では、 WordPressに代表される他CMSと対比しながらNotionのリライトのしやすさ、メンテナンス性の高さについて語ります。
2022/09/23現在では、80記事を超えるコンテンツを公開させることができ、リライトを重ねることで1〜3位程度を獲得する記事も多くなってきました!
2023/01/20現在、気がついたら105記事の公開ができていました…!新しく公開する記事の本数ペースは落ちてきているのですが、これは既に公開してきた記事の多くの記事をリライトしてきたためです。
昨今のSEOではフレッシュネス指標と呼ばれる、記事の更新頻度や情報の新鮮さ・正しさが重視されるようになってきています。SEOの観点でも、記事リライトのしやすさは大切でしょう。
なんといっても意識することなく「自然と」リライトできているのが大きいです。これがWordPressなどのCMSだと「過去記事を掘り起こす」ような作業を想起させるため、Notionは使い手に自然にリライトさせることを可能にするツールであると言えるでしょう。
目次:
Notionエディタがもたらす快適なライティング体験
とにかく「書きたくなる」、「書いていて気持ちがいい」ということは正義。
Notionはとにかくライティング体験が最高です。画像挿入や内部リンク設置など、テキスト以外のコンテンツを設置するときのストレスが限りなくゼロへと近づけられています。
利用するツールによって、こんなにもアウトプットへのハードルが下がり、それによってアウトプットの量が増えるものかと愕然としました。
たとえば、私は技術メモやWebマーケティングに対する気づき、日々の仕事でのリサーチしたことなどを 魔法使いのWebマーケティング というWordPress製ブログにまとめています。
本ブログは2年ほど運営しており、業務の合間を縫って気づきをライティングしていたのですが、2年間のアウトプットとしては記事100本でした。
対する本Notion と Wraptas で作成し、公開した記事数は、わずか1ヶ月で20記事となっています。これに加えて、書きかけの記事が10記事ほど。
もちろん記事数が全てではありませんが、「雑に記事を公開する」 ということをスタンスとしている私にとって、このライティングへのハードルの低さはまさしく求めていたものでした。
そしてなにより、リライトする回数が圧倒的に増えた、という点は特筆すべきです。WordPressサイトのときはリライトが面倒で、一度公開したあとにリライトする記事は100のうち5〜6記事程度でした。
対するNotion製の本サイトでは、3,4割の記事について少なくとも1度のリライトを行っています。
これだけリライトを実施できているのは、次にご紹介する「Notionではビュー画面と編集画面が一体」となっていることが大きいです。このことが、思い立ったときに気軽にリライトすることを助けてくれています。
近年のSEOにおいては、最終更新日がいつか?内容が適切にリライトされてるか?ということが重要なシグナルの1つとなっており、本Notion製サイトでもリライトを重ねた記事ほど上位表示されやすくなっている、という傾向が確認できています。
Notionではビューとエディタが一体となっている
Notionでは、コンテンツを確認するビュー画面と、エディタ(編集画面)が一体となっています。すなわち、Microsoft WordやGoogle Document, Evernoteのように「見る画面と編集する画面が同一」であると言えます。
これと反対なのが、WordPressなどのWebサイトとしてのCMS(コンテンツマネジメントシステム)です。Notionも広い意味ではCMSと言えますが、WordPress等のCMSは基本的に「エディタとビュー画面」を切り離して考えています。
コンテンツを見るときは公開サイトで、編集するときは管理画面で、という考え方であり、WebサイトにおけるCMSでは一般的な考え方です。
この意味でNotionは、厳密にいえば3つの画面を備えているといえます。
- Notionアプリ上の編集画面
- Notionアプリ上のビュー画面(1の編集画面と同一)
- Web公開用のビュー画面
つまり、管理画面 = Notionアプリにおいてもビュー画面としての役割をもつ、ということが他CMSとの大きな違いでしょう。たとえばWordPressで自分の書いた記事を読み返すときに、わざわざ管理画面にログインしてから確認するでしょうか?通常はWeb上に公開されたビューから読み返すと思います。その方がCSSも効いており、綺麗に整形されていることでテキストとしても見やすいだろうからです。
WordPressをはじめとしたCMSは、ブログ・メディアサイトにとって真にCMSと言えるのか?
今までWordPressやConcrete CMSを利用してきて疑問だったのですが、これらのCMSを利用していて、コンテンツ管理はしやすかったでしょうか?
この点、何をメインコンテンツとして捉えるかによって異なりますが、Webメディアやブログにとって最もメインコンテンツたり得るものは「記事」です。
一方、ポートフォリオサイトの場合は「作品」がメインコンテンツでしょうし、サービス・製品サイトの場合は「製品」や「導入実績」、「お客さまの声」がメインコンテンツたりうるでしょう。
このような記事以外のコンテンツにおいて、写真や見出し・全体デザイン・その他表現手法は重要となる可能性があります。この場合においては、コンテンツ管理のためにWordPressやConcrete CMS, Movable Type、あるいは近年のヘッドレスCMSを導入していくのが良いでしょう。
管理したいのは「記事」でありその中の「テキスト」であるにも関わらず、WordPressでそれらを管理することは簡単でしょうか?WordPressが想定している粒度と、ブログ・Webメディアが利用したいコンテンツの粒度がだんだんと合わなくなってきているように感じます。
特にWordPressは元々はブログ用として出発したCMSですが、段々とサイト制作のフレームワークのように利用されるようになるにつれ、WordPress自体もコンテンツ管理というより「サイト管理」に役割を変化するように進化してきたように思えます。
その意味では、Evernoteなどのテキストツールをライバルに見据え、テキストベース(+α)のナレッジ共有としても利用が想定されているNotionは、ブログ・WebメディアのCMSとしては最適なシステム・入れ物ではないでしょうか。
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Notionは完璧ではないが、最もスピーディーに公開・改善していけるツール
いかがでしょうか。Notionびいきの内容であり、「私がNotionを好きだから」というポジショントークによるところも多分に含まれています。
しかし、たとえばSEOの観点でも、アクセス解析の結果をみてPDCAを回し改善していく「リライト」は非常に重要な作業になると考えています。
もちろん、Notionではたとえば他CMSに搭載されているような下記機能はありません。(ほとんどは運用で工夫すれば同等の結果は得られます)
- リンク切れチェック機能
- 外部のリンク切れチェックツール, SEOツールでチェック可
- Ahrefs , Screaming frog, SitebulbなどのSEO内部分析ツールでチェック可
- コメント機能(Notionのまま公開するなら有、サードパーティツールを介して公開する場合はナシ)
- カテゴリ・タグ機能
- Notion側でカテゴリ・タグ機能を実装可能
- 予約投稿
- 承認ワークフロー
- 下書き機能
上記機能が標準で備わっていないことは確かに通常のCMSには劣りますが、「スピーディーに公開し、改善していける」というメリットは上記を補ってあまりあるのではないでしょうか。
参考: WordPressブログをNotion製Webサイトに移行することにしました | まほウェブ
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