「起業」というと、スタートアップのように「 世の中を変える」ようなイノベーションを起こすビジネスを立ち上げることを想像してしまいませんか? しかし、たとえば ラーメン屋のような飲食店を自分で立ち上げて経営することも立派な起業ですし、数で言うとそんな「商売」のような形で事業を立ち上げている人がほとんどです。
もしあなたがサラリーマンや学生などの立場で、いずれ起業したいと考えているのであれば「自分がどのようなモチベーションを持って起業を志すタイプなのか?」 と言うことをきちんと自己分析しておくことをおすすめします。
本記事では、 起業するモチベーションの2つのタイプによって、立ち上げるビジネスサイズのタイプが異なってくるお話をいたします。
目次:
前提: 起業するモチベーション2つのタイプ
個人的には、起業をするモチベーションは以下の2種類に大別されると思います。
ただし、きっぱりとどちらかに分かれるという訳ではありません。それぞれが何%ずつか、という比率のようなイメージになります。
実現型: 達成したい物ごとや目的がある。「カッコ良さ」を求める
実現したい社会的意義や、「もっとお金を稼ぎたい!」「お金持ちになりたい!」という経済的な目的、「自分でお店・会社をもちたい!」「社長になりたい!」のようなステータスとしての目的が主となるでしょう。
明確に実現したいゴールがあったり、達成したい物事やライフスタイルがある、というタイプです。
実現型をよりシンプルに言い換えるなら、「カッコ良さのために起業する」です。カッコ良さというと見栄えや派手な生活を求める、というイメージがありますが、壮大なビジョンを掲げる・社会貢献なども広い意味で「カッコ良さ」と捉えています。たとえば下記。
- より良い社会にしたい
- 社会・人々の課題を解決したい
- お金持ちになりたい
イメージとしては、なにかを「追いかける」ものは実現型と捉えてよいでしょう。
自由型: 今やっていることが嫌だ、好きなことをしたい、自分のライフスタイルに合った形で仕事をしたい。「自由」を求める
明確な目的があるというよりも、「今の会社勤めが嫌だ・会社員としての働き方が合わない」、また心身面・健康面での問題から他に選択肢がなく、起業をするといったタイプ。
ネガティブな印象を受けるかもしれませんが、私自身も逃避から起業をスタートしました(後述)。スモールビジネスにおいてはこちらのタイプの方が適切とさえ考えています。
自由型をよりシンプルに言い換えるならば、「自由を得るために起業する」、「嫌なこと・苦手なことから逃げるために起業する」です。たとえば下記。
- 時間や場所に縛られたくない
- 今の仕事をやめたい
- 自分の好きなこと以外はなるべくしたくない
イメージとしては、なにかから「逃れる・回避する」ものは逃避型と捉えてよいでしょう。
実現型と自由型、どちらが優れているということはない。それぞれの特徴
一見して「実現型」のほうが立派でかっこいいイメージですが、必ずしも良いことばかりではありません。
たとえば、実現型のタイプは目的達成のために大きめのリスクを取る必要が生じてくることがしばしば。
リスクを取るということは、成功したときに大きなリターンが見込める反面、失敗した場合にはダメージが大きくなるという側面があります。
個人事業主としてのサイズには収まらないケースが多いため、企業としての形態・スタートアップなどの形で起業をしていくことになるでしょう。
逆にいうと、実現型のタイプは早く株式会社の形にして有限責任にしておくべきです。
また資金調達方法も、できれば融資ではなくエクイティファイナンスを用いていくほうがリスクテイク・リターン獲得のスピードとしても理にかなっています。
他方の「自由型」は、消極的な理由で起業を志すタイプです。「逃げる」ということはネイティブに捉えられがちですが、「生き残る」ことを第一に考えた生物の生存戦略・生存行動の1つでもあります。「逃避型」と言い換えても良いでしょう。
実際、私が起業を志した時は「心身があまり丈夫でなく、通常のサラリーマンとしての働き方が難しそう」「このまま会社員をしていたら最悪、本当に死んでしまうかも」「あまりに非効率的な仕組みや働き方をしており、この仕組みの中で働き続けることが苦痛」といった、消極的な要素が大きかったです。
新卒の就職活動のとき、当時はひどい腰痛と倦怠感・疲労感に悩まされていたため、「長時間労働は難しそうだ…」と考えて「いかに残業時間が少ないか、ホワイトか」を第一基準にせざるを得ませんでした。(現在はほぼ体調全快しています)
自由型・逃避型としてのモチベーションが高い人が起業をする場合、小資本で始められ身の丈に合った形で仕事ができる「スモールビジネス」としての形態をおすすめします。
基本的には個人事業主としてスタートし、売上が一定程度を超えてきた段階での法人化を検討する、法人成りのパターンで良いと思います。
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Category: 起業・独立・スモールビジネス
Tag: スモールビジネス | フリーランス論・キャリア