エックスサーバーがさらに高速化!2021年10月新提供3つのサービス

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Nov 26, 2021 3:38 PM
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インフラ・サーバー
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2021年10月、エックスサーバーがサーバー速度を圧倒的に高める新機能を発表しました。最新サーバー導入による物理スペックアップ、WordPressの超高速実行環境であるKUSANAGI技術の導入、他ユーザーの利用に影響されない「仮想CPU・メモリのリソース保証」…。これらによって、共用レンタルサーバーのなかで紛れもなくエックスサーバーは「 圧倒的No.1」のサーバー速度を誇ることとなってきました。

本記事では、エックスサーバーが備えた新たな3つの新機能と、新サーバー移行時の注意点、共用サーバーとVPSの使い分け・棲み分けについて記述していきます。

エックスサーバーが3つのスピード改善策を実施

以下、すべての機能が適用されるのは sv10001.xserver.jp 以降のサーバーのみ対象となります。対象プランは全プラン。

現在利用しているサーバーホスト番号については、下記どちらかからご確認ください。

  • Xserverアカウントトップページの「サーバー」項目内
  • サーバーパネルの「サーバー情報」→「サーバー番号」
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1:最新サーバー導入による物理スペックアップ

最新サーバー機器について CPUには高い処理性能を誇る第三世代EPYC、 ストレージには従来よりさらに高速化されたNVMeストレージを備えた 1台あたり1,000万円を超える最新の商用高性能サーバーを採用しました。
これによって、従来の3倍以上(※1)の処理速度を実現し、 国内主要サービスとの比較調査において、他サービスの記録を圧倒的に引き離して サーバー速度のNo.1(※2)を取得しました。

2:WordPressの高速実行環境“KUSANAGI”技術の導入

仮想メモリやCPUのスペック値以外の点でも、WordPressの表示を高速化させる技術に”KUSANAGI”があります。

KUSANAGIとは、プライム・ストラテジー社が提供する超高速なWordPress実行環境。

プライム・ストラテジー社が開発する「KUSANAGI」は、WordPressの高速化チューニングが施された仮想マシンおよびそのイメージです。 PHPやMySQLといったWordPressの処理を最適化しており、その速度は、世界最速クラスのWordPress実行環境と評価されています。

レンタルサーバー各社がサーバーキャッシュ等によって公開画面での高速化を実現させようとするのに対して、KUSANAGIの効果はキャッシュを効かせたくないWordPres管理画面上にも及びます。

そのため、「管理画面を含めてサクサク動かすようにしたい」というニーズには、サーバーの物理スペックを上げること以外にKUSANAGIを導入することが管理画面の高速化には大きな効果がありました。

そのKUSANAGI技術を基にした高速化チューンナップが今回、エックスサーバーにも導入されます。したがってWordPress管理画面を含めた全体の高速化表示が見込めるでしょう。

ただし、VPSなどの仮想化環境に導入できるKUSANAGIとは異なり、エックスサーバーではKUSANAGIの「技術」を用いてエックスサーバーをチューンナップした、という意味にとどまります。

・Xserver の KUSANAGI は KUSANAGI 仮想マシンを使ってはいない ・KUSANAGI の高速化のチューニング内容を参考に Xserver 独自でチューニング ・Xserver のバックボーンのネットワーク容量や速度は旧サーバと同程度

(下記ツイートから引用)

したがってエックスサーバーではKUSANAGI設定などのカスタマイズを行うことはできません。設定はホスト全体で共有され、ユーザーによる設定変更は不可。

設定内容としての推察ですが、KUSANAGIによるfcache, bcacheはOFFと設定しているようなチューンナップ内容になっていると思われます。エックスサーバーにはXアクセラレータという独自の高速化機能があり、Xアクセラレータに含まれるキャッシュ機能との競合が疑われるためです。

そのため、KUSANAGIで利用されているようなKUSANAGIミドルウェア上でのキャッシュ機能は使われていないことが推察されます。

以上から、他VPSで導入されKUSANAGIによるキャッシュ機能を利用している場合とは「同じ速度」にはならないのではないでしょうか。

3:仮想CPU・メモリのリソース保証

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共用サーバーにおける大きな問題が、「同じホストに積まれている他のユーザーにメモリ・CPUの性能を食われてしまうこと」でした。

共用サーバーでは1つのマシンを他ユーザーと共有し、メモリやCPUといったリソース部分まで相乗り状態となるため、他ユーザーがその部分を大きく使用する使い方をしてしまうと、その他のユーザーはその分のリソースを使用できないという状態となります。

この点、VPSは仮想化された占有領域を作成し、メモリやCPUにおいても仮想化領域が作成され割り当てられるため、他ユーザーによる自身の環境への速度影響は基本的にはありません。

他ユーザーの領域と自身の領域がそれぞれに作成され、物理ハードウェア上の使用領域も仮想的に区切られる、という点が共有サーバーと大きく異なります。

VPSの大きな特徴としては仮想的に自分の領域を確保するので専用サーバーのように扱えます。ですので、ディスクやメモリ、CPU、ネットワークといったリソースは物理的に共有されていても実質は専有して利用することができます。個々にリソースを割り当てるということです。

ただし、オーバーコミットによって全体としての設定上限が近づいた際に、スペック通りの性能が出ない可能性はあり。後述。

また、高速サーバーとして知られるmixhostにおいても、仕様上ではCPU・メモリなどのリソースが仮想化されているようです。

仕様上では、mixhost では CPU やメモリなどのリソースが仮想化され、独立している形になっているため、他のユーザーの影響を受けにくいシステムになっています。

今回、「仮想CPU・メモリのリソース保証」機能が導入されたことにより、共用サーバーであるエックスサーバーにおいても他ユーザーから受ける影響がほぼなくなる、ことになりました。

後述するオーバーコミットの可能性は残りますが、「たとえ共用サーバーにおける相乗り状態であっても、保証内容におけるスペックの性能が出ることを保証する」ということで、実質的にはVPSと同様、他ユーザーからの影響が性能上ほぼ出ないことになります。

各プランごとのリソース保証内容

■リソース保証内容

[sv13001.xserver.jp 以降のサーバー]

スタンダード  (旧X10:月額990円~) CPU 仮想6コア / メモリ 8GB

プレミアム   (旧X20:月額1,980円~) CPU 仮想8コア / メモリ 12GB

ビジネス    (旧X30:月額3,960円~) CPU 仮想10コア / メモリ 16GB

旧X2スタンダード(月額1,666円~) CPU 仮想8コア / メモリ 12GB

旧X2アドバンスド(月額3,551円~) CPU 仮想10コア / メモリ 16GB

[sv10001~sv13000.xserver.jp のサーバー]

スタンダード  (旧X10:月額990円~) CPU 仮想4コア / メモリ 4GB

プレミアム   (旧X20:月額1,980円~) CPU 仮想6コア / メモリ 8GB

ビジネス    (旧X30:月額3,960円~) CPU 仮想8コア / メモリ 12GB

旧X2スタンダード(月額1,666円~) CPU 仮想6コア / メモリ 8GB

仮想CPU・メモリをオーバーコミットしている可能性はあり

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エックスサーバーにおける保証内容はあくまで「性能保証」であり、実際の設定としてはCPU・メモリにオーバーコミットで割り当て設定されている可能性は残ります。

ただ、仮に設定された上限値を超えたとしても、プロセスを最適化するなどによって、指定されている性能が出ることを保証としているのではないでしょうか。

詳細な中の設定までは不明ですが、上手くプロセスの切り替えを行う等によってスペック値に近い性能を出せることを保証しているのだと思われます。急激なアクセス集中などによって、切り替え時や最適化が上手くいかなかったタイミングにパフォーマンスが一時低下する可能性が残るのではないか、と個人的には思います。

そもそも仮想CPUやメモリをオーバーコミットするというのは、他VPS事業者においてもハイパーバイザ上で設定している場合があります。

そのため、「オーバーコミットしているから」といって即ち、オーバーコミットしていない共用サーバー・VPSと大きく性能が異なってくるとも言えません。

「オーバーコミット設定をしていないこと」を明言している共用レンタルサーバーとして、ConoHa WINGのリザーブドプランがあります。

突発的なアクセス急増などが見込まれる場合には、オーバーコミット設定をしていないと宣言する共用サーバーやVPSを検討する価値はありそうです。

すでにエックスサーバーに契約し利用している人は、新サーバーへの移行が可能

実際に新サーバーへ移行した人の声

まずはデータコピー申請を

私もデータ移行の申請を行いましたが、申請してからデータコピー完了・移行作業可能とのメールが到着するまで1日もかからない程度でした。

また、データコピー完了の後はなるべく早くサーバー切り替えの確認と実施をしましょう。これは、データコピー完了後に加えた変更は移行後に引き継がれず、データの差異が生じるためです。

お早めの動作確認および「サーバー切り替え」をお勧めします データコピーの完了から時間が経過するにしたがって、移行元・移行先サーバーの内容に差異が生じる可能性が高くなります。 移行期限にかかわらず、なるべく早く動作確認および「サーバー切り替え」を行うことをお勧めします。

エックスサーバーの新サーバーへ移行した人の声

新サーバーへの移行に失敗するケースもあるようなので、要注意

データコピー申請から新サーバーに移行するまでの手順

下の記事に、データコピー申請から新サーバーへ移行するまでの手順をまとめました。hostsファイルによる新サーバーの確認方法も記載しています。

私の場合、データコピー自体は成功したのですが、紐付けたドメインのうちの1つのWordPressで「データベース接続確立エラー」が発生しました。

レンタルサーバー(共用サーバー)とVPSの使い分け・棲み分け

同価格帯であればエックスサーバー・レンタルサーバーのほうが現在はハイスペック

今回の下層CPU・メモリのリソース保証によって、同価格帯であれば性能面ではVPSよりもエックスサーバーのほうが優れていそう、という結果になりました。

したがって、たとえばWordPressであれば、よほど大規模・高アクセスでなければエックスサーバーで問題なさそうです。

WordPress以外でも、CMSの仕様が許すならなるべくエックスサーバーの利用が良いでしょう。

VPSの利用を検討するシーン

少し前までは、VPSの良さは処理性能と拡張性、と言われていましたが、今回エックスサーバーの新機能によってヘビーユースでない限り、VPSのメリットは基本的には「拡張性のみ」になってきたと言えます。

たとえば、VPSの利用を検討する場合として

  • レンタルサーバーの仕様では対応できないCMSの導入
  • アクセスが跳ね上がるなど、集中的に負荷がかかることが予想される場合
  • OSやミドルウェアの設定までコントロールしたい場合
  • レンタルサーバーの性能上限よりも更なるスペックが欲しい場合

などが挙げられるでしょう。

具体的な例としては、WordPressマルチサイトをサブドメインで運用したい場合。

レンタルサーバーで不可能ではないのですが、レンタルサーバーの仕様によってはサブドメインへのエイリアス作成を行う必要があります。そしてこのエイリアス作成は都度、サーバー上で作業を行う必要があり自動化させることはできません。

またこの場合には、

の記事で行ったように、ワイルドカードSSLを取得したい、などのニーズにレンタルサーバーは応えることができません。

このように独自事情のある場合には、VPSでの利用を検討する必要が出てくるでしょう。