ご自身で事業やサービス、スクール、コミュニティを運営されている方。「自分のビジネス専用のオンラインサロンや、Web上でのコミュニティサイト・アプリを作れたらいいのに」と思ったことはありませんか。
従来までは多機能なオンラインサロンやWeb上のコミュニティサイトを作ろうとすると、それらに向いたCMSを利用して開発するか、スクラッチで開発するしかありませんでした。 あるいはSlackやDiscordなどのチャットツールの上で擬似的にコミュニティ・オンラインサロンを運営するという方式も代替策として取られています。
SlackやDiscord, LINEグループは最小限のコミュニティ機能・オンラインサロンとして現在もなお有効です。そのため本記事の方法にも含めています。
しかし現在では、コミュニティ・オンラインサロンの開設に特化したSaaSが多く登場してきています。これらコミュニティ特化のSaaSを利用することで、シンプルなチャットツールでは難しかったユーザーとの有機的なつながり・メンバーシップを構築することが可能です。
本記事では海外製SaaSを中心に、7つのオンラインサロン・コミュニティ構築サービスをご紹介していきます。
- 1: 洗練されたUIでシンプルなオンラインサロン・コミュニティアプリ: Circle.so
- Circle.soの印象
- Circle.soの機能
- Circle.soの利用料金(基本的には有料)
- Circle.soの採用事例
- Circle.soでテストコミュニティアプリを立ち上げてみた所感
- 2: 無料でほとんどのオンラインサロン・コミュニティ機能が利用可能: Tribe
- Tribeの主な機能
- Tribeの採用事例
- Tribeの利用料金
- 3: オンラインサロン・コミュニティをネイティブなモバイルアプリで。: disciple
- discipleの機能
- discipleの料金プラン
- 4: オンラインコース・Webセミナー開講を主軸としたコミュニティ構築アプリ: mighty networks
- Mighty Networksの主な機能
- Mighty Networksの料金
- 5: 開発ロードマップでユーザーコミュニティと関わる: Canny
- 6: 国産のCSプラットフォーム: commune(コミューン)
- 7: SlackやLINEグループ, Discordでのオンラインサロン・コミュニティ管理
- 自前で開発してオンラインサロンやコミュニティサイトを構築する際に利用できるノーコードツールやCMS
SaaSの提供する範囲にとらわれず、より自由に会員制サイト・コミュニティアプリを構築する方法については 会員制サイト・コミュニティアプリの自前開発におすすめなCMS・ノーコード の記事でまとめてあります。こちらも併せてご覧ください。
1: 洗練されたUIでシンプルなオンラインサロン・コミュニティアプリ: Circle.so
Circle: The modern community platform for creators
海外のSaaSサービスではよく使われている印象です。
Circle.soの印象
洗練されたデザインとUIが印象的。
最もシンプルで一般的に想定されているコミュニティサイトとして十分に利用可能。
スマートフォンUIも綺麗そう
コミュニティアプリの中では後発で、かなり新しい
Slackのチャンネル管理っぽい?
学習塾やコーチングコミュニティ、Podcaster等によるユースケースが書かれており、少人数のスモールビジネス向けとして良さそう
iOSアプリとして展開することが可能。
実際にダウンロードして使ってみましたが、iOSアプリの使用感はかなりいい感じ。
Android版の対応は数年後になりそうです。
When is the Android app coming out? We hear you! The Android mobile experience is important to us, too. While we're not actively working on an Android app just yet, we plan on starting it later in the year.
日本語対応されていない点が大きな導入ネックポイントとなりうる。逆にこの点が許容できるなら基本的にはCircleがおすすめ。
Circle.soの機能
- メンバーのみのログイン機能, スペース(Slackのチャンネルのような部屋)でのアクセス設定
- コミュニティ(全体)を公開orメンバー限定にするか設定可能。
- スペースごとに公開/メンバーのみの限定公開と切り分けることができます
- スペースのタイプをPosts, Eventsから指定できます。
- Posts:
- 掲示板方式
- Events:
- 特定の日時を指定して、イベントの開催を告知することが可能。
- 申し込みの管理も可能。
- イベント参加のための決済(イベント単位での参加課金設定)は今のところ実装不可のよう。
- Events機能は2021年11月に公開されたばかりの新機能。今後、イベント参加のための決済方法追加の実装が期待されます。
- イベント参加のために課金を得るには、下記の代替策があります。
- Circle上では参加予約を受け付けない、場所の公開をしない、に設定。
- 開催場所をバーチャルに指定
- その際に貼るリンクをイベント予約・イベント管理サービスで作成したイベントページへのリンクに設置。
- アクセスをOpen, Private, Secretから選択可能。
- Open: メンバーでない一般ユーザー含め、誰でも利用可能。
- Private: メンバーでないユーザーも閲覧は可能。投稿など利用ができるのは招待されたメンバーのみ。設定で細かくアクセス権限設定が可能。
- Secret: 招待されたメンバーのみ閲覧・利用が可能。最もクローズドな形。
- 新しい投稿があったときに通知する方法を選択可能。(それぞれON/OFF)
- メール通知
- プッシュ通知
- スペースをグループ化してまとめておくことが可能。
- ユーザー間でのDM・グループチャットが可能
- スペースとは別に、メンバーを検索してチャットに招待することが可能。
- グループチャットが可能
- DM・グループチャットを独自に実装しようと思うと、なかなかハードルが高いものがあります。チャット機能内蔵は貴重。
- ユーザーによる投稿が可能
- リッチテキスト(見出し、バレットリスト等)による編集が可能
- 画像のアップロード
- 投稿画面上で、Unsplashから画像を検索して埋め込める
- 動画のアップロード
- ローカルからアップロードして投稿することはもちろん、YouTube等のリンクで埋め込みも可能
- GIF画像のアップロード
- デフォルトでいくつかGIF画像があり、挿入可能。
- 絵文字も入力可能。
- その他、PDF等の一般ファイルのアップロード
- ユーザーとの個別DM
- ユーザーの属性管理
- タグ付け
- 特定のスペースへの割当て
- 管理者権限付与の有無
- 特定スペースでのモデレーター(調整係)としての役割付与
- 支払い機能・決済機能
- ユーザーが支払いを完了しないと、サービスを利用できないというようにすることが可能
- Circle.soの設定からStripeで支払い課金について設定できる。
- 有料ニュースレター配信スタンド機能
- 独自のアクセス解析
- 他サービスとの連携機能(Zapier利用?)
- WordPress
- Slack
- Shopify
- Webflow
- Mailchimp
- Convertkit
- Stripe
以下はProfeccionalプラン以上($79/月)
- APIアクセス
- Circle.soはAPIを公開している
- ホワイトレーベル機能
- CSS, JSのカスタマイズ
- この機能を利用すれば、無理やり日本語化することも可能…?
- ただし、この場合でもアプリにおける日本語化は難しいかも
- 拡張されたアクセス解析
- 下記を利用したシングルページサインオン(SSO)
- WordPress
- Memberful
- クリエイターのためのメンバーシップ販売・管理アプリ。
- UIはWordPressのそれに近い?
- 実際にWordPressと連携(おそらくプラグイン形式)でき、WordPressとの連携を強みにしている。
- クリエイターがいて、そのクリエイターがメンバーに告知したり、クリエイターに紐づくコミュニティを作る際にはこのMemberfulが利用できるかも。
Circle.soの利用料金(基本的には有料)
登録人数1,000人までなら、月額$39。(Basic plan)
Circle.soの採用事例
国内では、ノーコードWebサイト制作ツール”STUDIO”が Circle.so を導入し、話題になりました。サイドメニューなども全て日本語化されており、使いやすそう・過去の質問なども検索しやすそうな印象です。
STUDIOは、2023年2月16日(木)に「STUDIO Community Japan」をリニューアル。
STUDIOは以前にはSlackでコミュニティを形成しており、質問のしやすさはありましたが過去の検索がやりづらいという印象があったため、企業・ユーザー双方の手間を削減できる良いリニューアルだと思います。
Circle.so はコミュニティ参加にユーザーの登録が必要なサービスですが、「コミュニティ参加者限定動」を用意することで、参加するインセンティブを高めています。
その他、ユーザーからの投稿も多く見られ、コミュニティとして活発に活動していることを確認できます。
基本的にはSlack + 記事投稿(掲示板) のようなイメージです。Slackからのユーザーにも慣れ親しんだUIとなっているでしょう。
関連タグ: STUDIO
海外サービスでの事例は下記のように、 Circle.co はある種デファクトスタンダードとしてよく使われています。
- Home | Makerpad
- Super — Community | Super Community
- Home | Circle Community (本Circleサービス自体のコミュニティアプリ)
Circle.soでテストコミュニティアプリを立ち上げてみた所感
実際に触ってテストコミュニティアプリを立ち上げてみましたが、「コミュニティアプリでやりたいこと」は大体このCircle.soでできると思われます。
特に便利なのがサービス内でStripeと連携させることができる点。連携設定も迷うところがありませんでした。
管理者や、モデレーター(スペース内での調整係)を設定できたり、スペース単位で一般公開にするか参加者のみの公開にするかなど、公開範囲も柔軟に設定することが可能です。
Basicプラン($39/mon~)の場合は管理者・モデレーターそれぞれ1名ずつのみ設置可能です。管理者・モデレーターを複数設置したい場合にはProfessional Plan以上を検討しましょう。
唯一気になるのが管理画面のモッサリ感(応答速度)ですが、アプリ自体をイチから構築していくことに比べれば気にすることではないでしょう。
管理画面・設定画面がモッサリと感じるだけで、通常のフロント画面・コミュニティ画面については特に問題なく利用できています。
無料でも一定程度の利用は可能ですが、上記の公開範囲指定等が可能なのは有料プランのため、Basicプラン($39〜)への加入は必須となるでしょう。
無料で使っていきたい場合には、無料でも多くの機能が利用可能な Tribe(後述) を検討しましょう。
本サービスに限ったものではありませんが、設定画面・管理画面が「英語」である点が唯一の導入ネックとなる点かもしれません。
コミュニティメンバーの性質によるところもあるでしょう。自分たちや運営が英語OKでも、メンバーにとっては取っつきづらいケースがあるなど。悩ましいところです。
それでもコミュニティ画面・フロント画面は自分で構築する際にほとんどの部分を日本語化させることが可能。
コミュニティのトップページにリンク設置やページ設置が可能なので、ここでヘルプページなどを自分たちで作成して留め置いておくなどして工夫して対応。
どうしても全て日本語でないと抵抗がある!という方は国産コミュニティサービスのCommuneを検討しましょう。
2: 無料でほとんどのオンラインサロン・コミュニティ機能が利用可能: Tribe
Tribe | A Customizable Community Platform
カスタマイズ性がかなり高そうなコミュニティプラットフォーム。
メンバー数100名までなら無料で利用できる!無料プランでもほとんどの機能を利用可能。
「無料」でとりあえず使ってみたい、という場合はTribe一択。
Tribeの主な機能
- メンバーの権限管理
- Google Analyticsの埋め込み
- 独自のアクセス解析機能もあり
- カスタムコードの埋め込み
- おそらくCSS, JS
- 質問投稿と回答
- メンバー間のディスカッション
- メンバーに対してスタッフ側から1to1のDMを送ることはできない
- モバイルアプリの提供はない
Tribeの採用事例
Supporting & Connecting Creators | ConvertKit
Tribeの利用料金
なんとメンバー数100人までなら、無料で利用可能!ただし無料プランではスタッフアカウントは1つのみ。
1つ上のプラン、Plusプランでは$49/月でメンバー数10,000名まで、スタッフアカウントが3つ。
3: オンラインサロン・コミュニティをネイティブなモバイルアプリで。: disciple
Disciple | Create your own community platform. No coding required
Adaloのコミュニティ特化版というイメージ。ノーコードビルダーとしてネイティブモバイルアプリの側面が強そう。
メンバーのプライバシー配慮。メンバー情報を取得するスパムやアルゴリズムを含んでいないとのこと。
discipleの機能
- モバイルネイティブアプリ
- プッシュ通知
- 独自のアクセス解析
- ライブストリーミング配信
- メンバーへのDM
- 他ツールとの連携
discipleの料金プラン
Webプラン: $55/月
Mobile Appプラン: $549/月
discipleを利用するメリットはモバイルネイティブアプリとしての点が大きいので、実質的にはMobile Appプラン一択。
そうなのと月額で$549はやや高額な部類のSaaSになりますね…!
4: オンラインコース・Webセミナー開講を主軸としたコミュニティ構築アプリ: mighty networks
Mighty Networks | Build Communities, Courses & Memberships
「オンラインコース開講をメインとしたコミュニティ構築プラットフォーム」という印象。
特に「動画によるオンラインコースの開講」に強みがあるよう。
Mighty Networksの主な機能
下記の機能を有しているよう。
- オンラインコース(スクール・ウェビナー)の開講機能
- イベント機能
- 支払い
- フィード機能
- コメント機能
- アクセス解析・売上解析ダッシュボード
Mighty Networksの料金
https://www.mightynetworks.com/pricing
$39〜となる。
5: 開発ロードマップでユーザーコミュニティと関わる: Canny
Canny: Customer Feedback Management Tool
Cannyは開発者向けにロードマップ機能を提供するSaaS。投票機能を有しており、アプリ開発の機能要望やフィードバックなどを通じて、ユーザーコミュニティを形成する。
Cannyの採用事例: Memberstack Feedback
6: 国産のCSプラットフォーム: commune(コミューン)
commmune(コミューン)|カスタマーサクセス(CS)プラットフォーム
企業とユーザーが融け合うカスタマーサクセスプラットフォーム
問い合わせの効率化 × Web上でのコミュニティフォーラム という姿を目指しているように見える。
純然たるコミュニティ、というよりは「お問い合わせの効率化」という側面が強そう。
料金体系は未開示で要問合せ。国産のこういうのは高そう…
7: SlackやLINEグループ, Discordでのオンラインサロン・コミュニティ管理
コミュニティというより、「サロン」としての役割が強くなりそうです。
ただし、SlackやDiscordは最低限、ユーザー同士の掲示板としての機能を有しています。
Slackでは、課金した人だけを参加させることも可能。
SlackやDiscordは実際に企業によってユーザーコミュニティとして多く利用されています。
ただし、過去の検索
STUDIOのコミュニティサイトのように、Slackでコミュニティを運営していたサービスが Circle.so へ移行するケースも出てきています。
LINEグループ機能は管理機能に乏しいため、工夫が必要そう。
自前で開発してオンラインサロンやコミュニティサイトを構築する際に利用できるノーコードツールやCMS
上記SaaSの枠にとらわれず、自由度高く開発したい場合におすすめなノーコードツール・CMSを下記記事にまとめました。
会員制サイト・コミュニティアプリの自前開発におすすめなCMS・ノーコード に詳しくまとめてあります。特に「会員制Webサイトを作りたい」「もっと柔軟な会員制モバイルアプリを自分で開発したい」というケースについてまとめてあります。
本記事の参考: Four Online Community Platforms to Compare for your Startup or Small Business
本記事の気になる箇所へ戻る:
- 1: 洗練されたUIでシンプルなオンラインサロン・コミュニティアプリ: Circle.so
- Circle.soの印象
- Circle.soの機能
- Circle.soの利用料金(基本的には有料)
- Circle.soの採用事例
- Circle.soでテストコミュニティアプリを立ち上げてみた所感
- 2: 無料でほとんどのオンラインサロン・コミュニティ機能が利用可能: Tribe
- Tribeの主な機能
- Tribeの採用事例
- Tribeの利用料金
- 3: オンラインサロン・コミュニティをネイティブなモバイルアプリで。: disciple
- discipleの機能
- discipleの料金プラン
- 4: オンラインコース・Webセミナー開講を主軸としたコミュニティ構築アプリ: mighty networks
- Mighty Networksの主な機能
- Mighty Networksの料金
- 5: 開発ロードマップでユーザーコミュニティと関わる: Canny
- 6: 国産のCSプラットフォーム: commune(コミューン)
- 7: SlackやLINEグループ, Discordでのオンラインサロン・コミュニティ管理
- 自前で開発してオンラインサロンやコミュニティサイトを構築する際に利用できるノーコードツールやCMS
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