クライアント様から「ECサイトの商品を売れるような仕組み、マーケティング提案をお願いしたい!」との依頼をいただきました。
クライアント様の状況としては、”EC-CUBE” というEC用のオープンソースCMSを自社サーバーに導入済み。一定数の商品登録を終え、カートシステムも設置済という状況でした。
公的な手続き申請のために「ガワだけ体裁をとりあえず作ってみました」という状況だったようです。
状況をヒアリングしたところ、現在のEC-CUBEから構築していくよりも、システム自体から検討しなおし、Shopifyで構築するほうがオススメと提案。
なぜ今あるECパッケージを乗り換えてまで、Shopifyへの変更をご提案したのか?他ECシステム・ ECカートサービスと比較しながら、Shopifyのメリットについてお伝えします。
- Shopifyは「売上を伸ばす」ための機能を標準搭載
- 「カゴ落ち対策」も万全
- メール到達率の高さ
- ホスティング型のため、自社でセキュリティ対策を実施する必要がない
- Shopifyはクレジットカードを安全に取り扱う世界基準”PCI DSS”においてレベル1を取得
- ShopifyはSEO対策もバッチリ
- 参考: 現在で主流のECカートサービス・CMS(ECパッケージ)
- Shopify
- 月額費用が問題なく、しっかり運用していきたいならShopify
- Shopify利用の際の注意点
- BASE
- STORES.jp
- EC-CUBE
- WooCommerse
- Stripe

Shopifyは「売上を伸ばす」ための機能を標準搭載
「カゴ落ち対策」も万全
ECサイトで離脱が起きる大きな箇所の1つに「決済時に入力が面倒で離脱してしまう」という「カゴ落ち」があります。
Shopifyはなるべくカゴ落ちの発生しないようなシンプルかつスムーズなUIを兼ね備えていることはもちろん、カゴ落ちが発生した場合にはユーザーに自動で「購入を忘れていませんか?」とリマインドメールを送ってくれます。
ただし、Shopifyはカナダ発のEC構築SaaSということもあり、会員登録時の入力フォームで「性と名が逆になっている」など、一部カスタマイズを要する箇所があります。
ただしごく一部であり比較的かんたんにカスタマイズ可能。
メール到達率の高さ
ホスティング型のため、自社でセキュリティ対策を実施する必要がない
EC-CUBEなど、自社サーバーにインストールするタイプのCMSにおいては、自社でセルフホスティング(保守)を行い、セキュリティ対策を実施していく必要があります。
反面、ShopifyはホスティングをShopify社が管理するサーバーにおいて実施するため、自社でセキュリティ対策を実施する必要がありません。
ブルートフォース攻撃などの対策のために、ログイン時に2段階認証を設定するなどは対策が必要です。こうした2段階認証機能もShopifyは備えています。
Shopifyはクレジットカードを安全に取り扱う世界基準”PCI DSS”においてレベル1を取得
PCI DSSとはお客様のクレジットカード情報を安全に取り扱うために定められたクレジットカード業界における世界基準のことです。 ShopifyではPCI DSS レベル1を取得しており、以下の6つの項目を満たしています。 ・安全なネットワークの構築と維持 ・脆弱性管理プログラムの維持 ・定期的なネットワークの監視・テスト ・カード保持者のデータの保護 ・強固なアクセス制御対策 ・情報セキュリティポリシーの維持 Shopifyで開設されたすべてのオンラインストアも同じく自動でPCI DSS レベル1に準拠しています。
このように、Shopifyはカード決済におけるセキュリティ対策も万全のものを期しています。
他方、日本経済新聞においても取り上げられましたが、2021年はカード番号盗用被害が増加。過去最悪となりました。
このカード番号盗用被害の多くが、独自に構築したECサイトから流出したものと言われています。自社でセキュリティ対策を施すことは、実現の困難さと同時に大きなリスクを抱えることになるのです。
ShopifyはSEO対策もバッチリ
ShopifyそのものがSEOフレンドリーに構築されていることはもちろん、SEO設定が可能な各種アプリを導入することで、さらなるSEO強化が可能です。
テクニカルSEO重要となる、リダイレクトについての機能も標準装備しています。
参考: 現在で主流のECカートサービス・CMS(ECパッケージ)
下記、低コストで構築できるECカートサービス・CMSのうち、現在主流だと認識しているものをご紹介します。
Shopify
紹介したとおり、現在では第一選択のECカートサービスなのではないでしょうか。
月額費用が問題なく、しっかり運用していきたいならShopify
カナダ発のECシステムのため、そのままでは若干日本の商習慣になじまない部分もありますが、各種追加アプリを導入すれば解消可能です。
ただし、月額費用として4,000円程度のランニングコストが発生するため、個人ショップで小さく運営していきたい場合や、自分の趣味のグッズを販売したい場合などにおいては、下記のBASEやSTORE.jpがおすすめでしょう。
Shopifyは多機能で柔軟にカスタマイズ可能な反面、管理画面もやや複雑です。シンプルに運営していきたい場合には、BASEやSTORE.jpで十分なケースもあると思います。
Shopify利用の際の注意点
ご自身のみでShopifyストアを開設することも可能ではありますが、下記のような注意が必要です。
- コレクション、タグ、メタフィールドなどShopify独自の機能・構造について理解が必要
- 日本の商習慣と異なる機能が多々あり、プラグインを導入するなどのカスタマイズは必須
- 入力フォームの並び順が日本向けでない・ブログ記事の抜粋文が全文表示されてしまう、など一部テーマカスタマイズが必要。
ShopifyテーマDawnを日本向けにローカライズ(姓名フォーム・抜粋文)
- 柔軟な配送業者との連携が可能な反面、設定や配送フローの確認が必要
- 配送料について、送付先の地域によって異なる振り分け設定ができるのは都道府県レベルまで。離島対応や注文後の送料差額については「カスタム商品を追加」で対応するなどの運用が必要。
カスタム商品を追加 の機能で対応しようということになりました。 こちらは商品登録されていない商品を臨時に追加するなどの機能ですが 任意の価格に決めれるので差額送料の徴収に役立ちそうです。
任意の金額のカスタム商品を作成し、 Shopify管理 > 注文管理 > 注文を作成する から差額金額の請求を該当顧客に依頼する、という対応をとる必要があります。
減額の場合は注文後でも管理者から一方的に減額対応が可能。
多くの方の場合、Shopify開発者・制作会社に制作を依頼してストアを開設していくほうがスムーズとなるでしょう。
開発者の方にShopifyストアを構築してもらい、その後でShopifyストア所有権を移行してもらうようにしましょう。
BASE
BASEはとにかく素早く、かんたんに、シンプルにECサイトを始められるサービス。
さらになにより「無料」でショップを開設し、販売していくことが可能です。
独自ドメイン接続も無料の範囲内で実施することが可能です!
特殊なアプリを追加したい場合や、BASE内で広告を出稿する場合などには有料となります。
実店舗での販売がなくオンラインECサイトでのみ販売する、という場合には、BASEかShopifyから選択する形で良いでしょう。
BASEで特筆すべきは、配送フローもシンプルで迷うことが少ないという点。さらに配送・発送処理を便利にしてくれる様々な工夫もされています。
個人ショップなどで手間なくかんたんにスタートさせたい!という場合はまずBASEからスタートさせても良いでしょう。
ただし、デザインや機能のカスタマイズは非常に限られており、たとえばフログコンテンツをストア内にもたせることはできません。リッチなストアを構築してブランド力を高めたい場合にはやはりShopifyに軍配が上がるでしょう。
STORES.jp
実店舗があるなら、STORES.jpが候補になってきます。
BASEと同様にシンプルかつかんたん、そして無料でECサイトを開設することが可能。
BASEとの違いは、実店舗のPOSシステムとの在庫連携が可能という点でしょう。そのため、実店舗でも商品を販売する場合には、ShopifyかSTORES.jpが選択肢となるでしょう。
Shopifyにおいても、標準機能の中に在庫連動させる機能があり、詳細な設定が可能です。
EC-CUBE
EC-CUBEはオープンソースの国産ECサイト構築パッケージ。
自社サーバー上にECシステムを構築する必要がある、という場合にはEC-CUBEは有力な選択肢となるでしょう。
しかし、良くも悪くも自社サーバー上の運営となるため、きちんとホスティングを行い、セキュリティ対応を行う必要が生じます。
細かいカスタマイズを行う場合には、PHPによる開発スキルが必要です。その分、Shopify以上に柔軟なカスタマイズや機能連携を開発できる可能性があります。
WooCommerse
WooCommerseは、WordPressにECカートシステムを導入するためのプラグイン。
セキュリティ対策が大変になるためあまりおすすめすることはできませんが、WordPressとのシームレスな連携が必要になる場合には選択肢となってくるでしょう。
Stripe
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