現在では「基本的にはテキストによる情報発信はNotionが良い」という方向に落ち着いています。
NotionをWebサイト・ブログとして公開する4つのメリット。最高のライティング体験と高速表示
しかし、全てのケースで「Notionでの公開が良い」と言い切れる訳ではありません。
今回はブログ運用の場合において、「トップダウン形式のブログ運用とするか、ボトムアップ型のブログ運用とするか」によってNotionを採用するかどうかが一つの判断基準になるというお話を書いていきます。
同時にブログ運用におけるトップダウン・ボトムアップがどのような運用を指すのかについても解説します。
目次:
トップダウンか、ボトムアップか
ブログに代表されるコンテンツの制作においては、「トップダウンか、ボトムアップか」という企画段階での分け方が可能だと思います。
まず、トップダウン式のブログ運用について説明していきます。
トップダウン式の企画制作記事の公開はWordPressやブログプラットフォームで
ブログ執筆におけるトップダウンとは。マーケットインで記事ライティング内容を企画していく
ブログ執筆におけるトップダウンとは、いわゆる「完成形」や「理想の形」を先にトップとして定義し、そこから逆算してライティング内容を詰めていくという考え方。
具体的にいうと、下記の手順を先に行います。
- ターゲットのニーズ分析
- キーワード分析(SEOを狙う場合)
- ペルソナ設計
これにより、「どのようなコンテンツを作成するとウケそうか、検索上位に表示されそうか」を先に定義。
そこから内容を詰めていくという方式です。いわばゴールから逆算する方式。
「マーケットイン型」と言い換えても良いかもしれません。
このトップダウン型で執筆する場合、手間や工数が大きくかかります。ライティングそのもの以外にも、調査フローが記事の成否を大きく分けるからです。
少なくとも「誰に向けて書いた記事か」を明確にして刺さりやすくする、という特徴があるのがトップダウン型の記事といえます。
SmartHRさんでは、トピッククラスター戦略に基づくコンテンツ配信を行い、ピラーページ2本で約40万PV(月間か累計なのかは不明)、クラスターにあたるコンテンツも、50本弱の公開でトータル 約150万PV獲得したとのこと。
SmartHRで実施してきた「これマジで良かった」コンテンツマーケティング施策 7選|ふじじゅん🍢|note
営業面での成約効果の高い「導入事例」コンテンツから着手したのも流石だなと。
Web上のマーケティング施策は、基本的にコンバージョンに近いところの施策の方が成果が出やすいと言われています。
トピッククラスターとしてまとめた記事を、eBookとしてダウンロード可能なコンテンツとしてWebマーケティング(MA)に活かすというアイデアも非常に参考になりました。
手間暇かけた高品質な記事は、なるべく高得点が狙えるプラットフォームで万全を期して公開する
SEOを第一に考える場合や、バズを狙って渾身の記事を公開する場合などには、WordPressやその他ブログプラットフォーム上で公開するのが良いでしょう。
NotionよりもWordPressや他ブログプラットフォームで公開する方が、テクニカルSEO面でも100点に近いものが取れたり、多くの人の目に触れる可能性があるからです。
Super.so × NotionブログのデメリットとテクニカルSEO面2つの不満 でも書きましたが、NotionのテクニカルSEO面は100点であるとは言えません。 しかし、 NotionをWebサイト化してくれるツール Super.so 側の改善によって、現在ではテクニカルSEO面の不満もほとんどなくなってきています。
特にSEOにおけるビッグキーワード・ミドルキーワードを狙いたい場合。近年では戦略的な記事設計・トピッククラスター設計を行わないと上位表示が難しくなってきています。
「手間ひまかけた高品質な記事なので、なるべく最適化されたチャネルで多くの人に届けたい…!」という認識は正しいです。この場合には公開プラットフォームについても気を配るようにしましょう。
トップダウン形式でのおすすめ公開プラットフォーム
SEOや高いPVを狙いたい場合・高得点を狙いたい場合での私のお勧めの公開手段・公開プラットフォームとそれらの特徴を下記にまとめました。
大別して、自社サイトで公開するか・他社プラットフォームで公開するかという分け方で分類しています。
【自社サイトでの公開】
- WordPressに代表される自社サイト
- テクニカルなSEO面では高得点を取れる可能性は高いが、被リンクやオーソリティを集めるのが大変で成果が出るまで時間がかかることは覚悟が必要。
- 自社サイトで頑張った方が得かどうかは、ジャンルによる。たとえば新しいテクノロジーやマーケット・新しいプロダクトに関するジャンルであればSEOにおいて独占できる可能性あり。
- 反対に、既に存在するレガシーな領域では他社プラットフォームで出稿するほうが効率が良い場合が多い。
- ただし、自社が既に知名度のある法人、自分が有名人である場合においてはオーソリティが高くなり、SEOにおいては自社サイトでも十分に上位表示される。
- また下記プラットフォームと異なり、プラットフォーム内での集客は不可。SEOやSNSなど、自社で集客をがんばる必要がある。
- 他社プラットフォームに依存しない、という安心感はある
【他社プラットフォームでの公開】
- note
- 幅広いジャンルでOK
- 1種のSNSのようなプラットフォームと化している。
- はてなブログ
- 特に技術系ブログはなかなかおすすめかも。
- ポエムやオピニオンも需要があったりする
- Zenn
- エンジニアのための情報共有コミュニティ
- 技術系ブログ、というより技術の手順書・ハンズオン資料のような形で具体的なものを公開するのが良い
- アメブロ
- 女性向けなど
- 占いコンテンツや教育、自己啓発系とか多いイメージ。
- 事実やリサーチ結果などではなく、日記風コンテンツが多い。
- 日々の取り留めのないことを書いていても許される傾向
- かなりレガシーなサービスなので、カスタマイズしにくかったり、外部サイトへの誘導制限があるなどの規制がキツい。
ボトムアップ式のコンテンツ公開はNotionで
上記、企画設計やリサーチを徹底する場合には、「なるべく高得点が取れる可能性のある自社サイト・プラットフォーム上で丁寧に公開する」がベターと述べました。
しかし、たとえば自分ひとりで記事を書いているなどリソースの少ない場合や、ブログ執筆に重きを置いていない場合、日々のメモや思いついたことを気軽に発信したい場合などには不向きでしょう。
「きちんとした記事・文章を書かなければならない」という意識が出てきてしまって、なかなか発信できない、発信すること自体途中で挫折してしまうと言うことが多々起こってしまいます。
ブログ執筆におけるボトムアップとは
上記のトップダウン型のブログ執筆と異なり、調査やリサーチ、誰に向けて書くかなどのターゲット設定を(一切)行わず、書きたい内容や思いついたことなどをベースにそのまま書いていく。
これがブログ執筆におけるボトムアップです。「プロダクト・アウト」的な思想といってもいいでしょう。
ボトムアップ型においては、綿密なリサーチや読みやすい記事設計など、記事制作自体に手間ひまかけると言う事は行いません。
その分だけ高速に多くの記事を制作することが可能ですが、反面、1つの記事で大きな成果を出すと言う事はなかなか難しいでしょう。
ただし、頻繁に記事を公開・更新し続けることで、特定のトピックに関してあなたのファンができる可能性があります。
ブログのみならずコンテンツ発信において「いかに頻繁に更新・発信するか」と言う事は非常に大切。心理学上でも、単純接触効果(ザイアンス効果)と呼ばれる効果があり、マーケティング上も一定の効果があるとされています。
これは、より多く接触することで警戒心が薄れ相手に好感を持つようになるという人間の心理。
ボトムアップ方式であなたの考えを日々発信していくことで、あなたのファンに定期的にコンテンツを届けることが可能になるのです。
ボトムアップ方式において大切なのは、「いかにスピーディーに、躊躇なく発信できるか」という点。
この点、発信手段としてNotionのWebサイト化が非常に優れているでしょう。メモ書きのようにアプリを開いてライティング・リライトできるのが大きな利点です。
NotionをWebサイトとして公開する方法 : SuperとWraptas(Anotion)
NotionをWebサイト・ブログとして公開する4つのメリット。最高のライティング体験と高速表示
Super.so などのサードパーティ製アプリを利用すると、独自ドメインでNotionをWebサイトとして公開できます。
SEOにおいては、ビックキーワードやミドルキーワードは一発ではなかなか難しいにしても、スモールキーワード中心にロングテールの効果を狙っていくことになるでしょう。
また多く制作した記事を前述したトピッククラスターとしてまとめ、ピラーページを作成することでビッグ〜ミドルキーワードを狙っていくことも可能です。
(ただし、トピッククラスター戦略の観点からいうと先にサイト設計・記事設計するほうがベターではあります)
■ ピラーページについて参考リンク:
ピラーページとは? そしてなぜSEO戦略において重要なのか?
自分の発信スタイルに合った方法・プラットフォームを選ぶ
以上、自社・自分がどのような発信スタイルが適しているかによって方法とプラットフォームを選んでいくと良いでしょう。
SEOを全力で狙っていきたい、コンテンツ制作のリソースがある、明確な成果主義でいきたいという場合にはトップダウン型。
そうではなく、なにかの業務の傍らに発信していきたい、むしろ雑に高速な発信を行いたい、という場合にはボトムアップ型をおすすめします。
いずれの場合も、「ファン作り」という観点からいうと「更新頻度」は大切になってきます。
もしあなたが「いまいちコンテンツを更新できていない…!」という場合にはNotionでの情報発信を検討してみてはいかがでしょうか。
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