アウトライナーとしてのNotionエディタの完成度

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Nov 24, 2021 4:22 PM
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で説明したとおり、Notionのエディタはアウトライナーとして極めて快適なライティング体験を提供してくれます。 本記事では、

  • なぜNotionをアウトライナーとして検討し始めたのか?
  • そもそもアウトライナーに必要な機能はどんな機能なのか?
  • アウトライナーでライティングを進めていくとどんな良いことがあるのか?

という点について掘り下げて書いていきます。

Notionにたどり着く前のアウトライナー "Roam Research"

もともとWordPressでブログを運用していた頃、入稿前までは Roam Research というアウトライナーでメモ・アウトライン作成を行っていました。

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双方向リンクでアイデア・繋がりの発見を可能にするアウトライナー"Roam Research"

Roam Research は脳のシナプスがもたらす有機的なつながりをメモ・アウトラインに適用させようとした面白いプロダクト。

"bilateral-link" と呼ばれる、一方的なリンクではなく、様々なメモを双方向にリンクさせることで新しいつながりや発見を生み出そう、という意図だったようです。

Roam Researchはアウトライナーとしての役割としても申し分なく、思いついたアイデアやリサーチのまとめ、業務での手順書などをRoam Research にどんどんと書き溜めていました。

Roam Researchを利用していく上で生じた不満点

しかし、利用を続けていくと、下記の点でRoam Researchに対する不満がでてきました。

  • 立ち上がりが遅く、すぐメモをとりたいときに手間取る
  • 検索機能が弱い
  • 双方向リンクは実際にはあまり利用しなかった

上記のポイントについて、

で詳しく解説しています。

Roam Researchはコンテンツ発信としては不向き

また、コンテンツ発信という点でもRoam Researchは不十分でした。

なぜならRoam Researchはあくまで個人用のメモ・アウトライナーであり、コンテンツが公開されることを前提とした設計にはなっていません。

そのため、ブログとして記事を公開するためにはWordPressなど、CMS・他ブログサービスへの入稿作業が必要となってきます。

このRoam Research → WordPressというダブルステップの入稿作業を単純化し、単体のサービスだけでコンテンツ発信を可能にしたい、ということからNotionのアウトライナー・CMSとしての検討を開始しました。

Notionによるアウトライナー・ブログの一元運用で、高速かつ大量のアウトプットが可能に

結果としては大成功。どんどんと記事を公開でき、1ヶ月で20記事、3ヶ月で50以上の記事を本Notion製ブログ「魔法使いのスクリプト」で公開できています。

アウトライナーとして必要最低限の機能: タブキーインデント、1文単位での配置入れ替え

さて、前述のとおりブログとしてWebに記事を配信するCMSとして、Notionはそのまま利用することが可能です。

しかし、アウトライナー単体としての出来栄えという意味ではNotionはどうでしょうか?

アウトライナーに求められる機能

一般的に下記の機能を備えるものがアウトライナーとして十分な役割を果たす、と言われています。

  • インデントによる文章の入れ子構造化
  • インデントした箇所をトグルボタンで開閉(表示/隠すの切り替え)
  • 1文単位での配置入れ替え

Notionはブログ用のアウトライナーとして最高

このうち、Notionは2つめのトグルボタンでの開閉には対応していません。したがって論文レベルの長文を書きたい、という場合には向いていないでしょう。

論文レベルの長文や、小説などの長編を書きたいという方には Scrivenner がオススメです。

他アウトラインツールには、 WorkFlowy , Dynalist, OmniOutliner などがあります。

他にMicrosoft Office Wordでもアウトライン作成することができますね。

しかし、他の2点「インデントによる文章の入れ子構造化」、「1文単位での配置入れ替え」にはNotionは対応しています。

この2つの機能は、アウトライナーとしては必須の機能で、構造化された文章を書くためには必須。

中でも特に「1文単位での配置入れ替え」が容易に行えることは重要。なぜ重要かは後述します。

したがって、Notionは論文・小説レベルの長文を記述するアウトライナーとしては不向きだが、ブログ程度の長さの文章を書くには十分にアウトライナーとしての機能を果たしているといえます。

エディタとしてもブログ向き。SEO効果のある内部リンク設置もかんたん

加えて、NotionではSEO上重視されやすい内部リンクを極めてかんたんに設置することが可能。

それ以外にも、Notionはブログ用のアウトライナー・エディタとして快適なライティング体験を提供してくれます。

そもそも、なぜライティングにアウトライナーを活用すべきなのか?

ツールの説明が先に来てしまいましたが、そもそも「なぜアウトライナーという枠組みでエディタを検討する必要があるのか?」について、最後に書きたいと思います。

文章の組み立てと整理におけるアウトライナーの必要性

私たちは文章を組み立てるとき、頭からお尻まで綺麗に書くということはあまりありません。

たとえば、ライティングを行い1つの記事とするまでに、たとえば下記の断片的な作業をしています。

  • タイトルだけ決めておく
  • 見出しだけ決めてみる
  • 調査したものをメモ書きで残しておく
  • 書ける範囲で本文を書いてみる
  • 文章構造を入れ替える
    • 見出し→本文の変更
    • 文章配置の変更

これらの作業を1箇所にまとめておく入れ物が、「アウトライナー」なのです。

そして私たちはこの入れ物の中に情報を足したり削ったりかき混ぜたりして、1つの記事という成果物を生み出しています。

文章構造・配置を入れ替えることの大切さ。「シェイク」

特に、いかにスムーズに文章構造を入れ替えることができるか?は論理的・構造的な文章を書くために必要な機能。

そしてこのような論理的・構造的な文章はGoogleのbotから好まれるため、SEO効果も出やすいです。

なぜならそもそもGoogleの検索エンジンは学術論文データベースを元に構築されており、評価方法も学術論文のそれに近いと考えられるためです。

このように「アウトラインと本文を行き来する」「文章構造を入れ替えながら書く」という書き方を「シェイク」と表現されることがあります。

「アウトラインと本文を行き来する」というのは、「トップダウン思考とボトムアップ思考を行き来する」と言い替えることができます。 トップダウン思考とは、先に構成(アウトライン)を考えて、それに合わせて内容を書くことです。つまり昔ながらのアウトライン作成の考え方です。 ボトムアップ思考とは、書けるところからどんどん書いて、後から構成(アウトライン)を考えることです。私たちの多くが(結果的に)やってきた方法です。 アウトライナーを使ってトップダウン思考とボトムアップ思考を意識的に行き来することを〈シェイク〉と呼んでいます*2。〈シェイク〉はアウトライナーを活かす上で欠かせないテクニックです。
文章には構成が必要です。でも構成から考えようとすると、構成に頭がしばられて文章そのものを自由に考えられなくなります。だからと言って構成を無視して頭に浮かぶまま自由に書けば、文章は破たんします。文章を書くとき、私たちは全体像(構成)とディテール(文章そのもの)を同時に考えることを要求されているのです。これは簡単なことではありません。 ならば一度に一方だけに注力することにしよう、というのが〈シェイク〉です。構成を考えるときは構成だけを考える。ディテールを考えるときはディテールだけを考える。そして双方を行き来しつつ、それぞれの成果を相互にフィードバックするのです。 同じことを通常のワープロやエディタでやろうとすると、大変な手間と時間がかかります。その労力を劇的に軽減してくれるのがアウトライナーです。アウトライナーの3つの基本機能(アウトラインの表示、アウトラインの折りたたみ、アウトラインの組み替え)によって、はじめて現実的な労力で〈シェイク〉が可能になったと言えます。

このように、アウトライナーにおいてはシェイクできることは必須。

そしてブログとして情報を発信していくという意味では、Notionはアウトライナーの優秀さを備えつつ、ブログとして最適な形で記述が可能、そのまま配信までできるという最強のツールなのです。

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