しかし、Notionを公開してくれるツール Super.so を活用してのWebサイト運用は、SEO上100点であるということはできませんでした。
以下、Super.so × Notion でブログとして運用してみた際の問題点と、テクニカルSEO面での不満を2つ挙げていきます。
実は、本記事を執筆した2021年11月ころには、テクニカルSEO上の問題点として4つのポイントを挙げていました。しかし1年経過した2022年11月時点において、うち2つの問題点が解決され、テクニカルSEO面でみられる主な問題としては2つへと減ってきています。
以前はSEO面で胸を張っておすすめできる公開ツールではなかったのですが、上記改善によって特にテクニカルSEO面ではほとんど気にならないレベルまで来ていると思います。
それでもWordPressと比べるとSEO面で劣るポイントは確かにありますが、Notionのコンテンツ運用のしやすさとSEOを両立させたいならば、Super.so × Notionによるサイト公開は第一候補としても良いのではないでしょうか。
目次:
- Notionブログは記事がぜんぜんインデックスされない…!
- 新規ドメインであることもインデックスされにくい要素の一つ。Notionだけが悪い訳ではない
- WordPressと比べると、Notion製ブログは明らかにインデックスされるスピードが遅い
- テクニカルSEO面からのNotion製ブログ不満点2つ
- 1: 構造化データが自動的に生成されない
- 2: 一覧ページ(データベースへのビューリンク)が二重に作成されインデックスされてしまう
- ギャラリーカードのアンカーテキストがない → aタグできちんとマークアップされるようになりました!🎉
- サイトマップ・パンくずリストでの不満 → 解決しました!🎉
- Notion執筆時での不便: カテゴリ・タグ・関連記事の作成に手間がかかる
- カテゴリとタグの使い分け
- Notion標準では、カテゴリとタグを両立させることはできない
- 仮にサイトを売却(サイトM&A)することになった場合、やや譲渡しにくい・評価が下がる可能性
- テクニカルSEOで満点でないとしても、Notionのライティング体験は最高。もうWordPressには戻れない…!
- テクニカルSEOで100点と言えなくとも、Notionの心地よいライティング体験は手放したくない!
- Notionブログでも上位1〜3位がとれるように(2022/10/13追記)
- @コマンド(メンション)による素早い内部リンク構築
- Notionによるブログ運用は、いくつかのテクニカルSEOマイナス面を補って余りあるSEO効果をもたらす
- PodcastでもNotionブログのデメリットとテクニカルSEO面の不満について語っています

Notionブログは記事がぜんぜんインデックスされない…!
Notionブログの大きな問題。それは、Notionで書いたブログはほとんどインデックスされないのです…!
Search Consoleで確認したところ、40記事を公開した時点では、インデックスされているのはTOPページも含めてわずか6記事のみ。悲しすぎます…!
2022/08/23追記: Notionサイトを立ち上げて1年以上経った現在では、ほぼすべての記事インデックスされるようになってきました。単純にSEO上でいう「ドメインパワー」が弱かっただけの可能性があります。
ただし、 WordPressで完全新規ドメイン・新規サイトで立ち上げた場合に比べて、やはりインデックスされるまでのスピードは遅かったなと感じています。
このあたりは、中古ドメインを利用するなどしてドメインパワーが強い状態でスタートするか、Indexing APIを用いて素早くインデックスさせるようGoogleに知らせる等の工夫が必要でしょう。
2022/11/30追記: 現在においても、新規記事はなかなかインデックスされづらい状況です。新規記事を書いて公開しても、3週間ほどインデックスされない状態となっています。
Search Consoleで”Request Again”を実施し、手動でクロールリクエストを行なうという手もありますが、あまり現実的ではありません。
そこで、効率良くいち早くインデックスさせる手段として、Notion製サイトでは GCPの"Indexing API"を利用することを検討する必要があるでしょう。
後述しますが、Search ConsoleでのXMLサイトマップ提出の承認がしばらく「保留中」となってしまいます。インデックスを早めさせる方法として、Indexing APIを利用することが技術的な第一選択肢となりそうです。
そもそも当初は Wraptas でNotionをブログとして公開したのですが、あまりにインデックスされないためにNotion公開ツールを高速・SEO訴求の強い Super.so へ切り替えた経緯があります。
しかしWraptas・ Super.soどちらにしても、インデックスされないという状況は変わらず。この点は公開用サードパーティツールの差が要因ではないようです。
後述するテクニカルSEO面での不備に加えて、Notion製ブログでは記事ページにメニュー等を設置しづらく、内部リンクを設置しにくいという点もインデックスされにくい要因として挙げられそうです。
関連タグ:
新規ドメインであることもインデックスされにくい要素の一つ。Notionだけが悪い訳ではない
インデックスされづらいのは、完全にNotion製ブログだけのせいではありません。
今回は
- 完全新規ドメイン
- 被リンク(被リンク設置元ドメイン)がまだ1桁
という状態でした。
中古ドメインについて参考:
また、サイトの品質も下記が要因で高いものとはいえません。
- メモ書き・アウトラインのみで公開しているページもある
- 完全に業務メモやアイデアベースでの公開となっており、検索キーワードは意識していない
しかし、そもそも全然インデックスされてないので、品質うんぬん以前の問題かと思います。
WordPressと比べると、Notion製ブログは明らかにインデックスされるスピードが遅い
上記のように完全新規ドメインであることを考慮にいれても、WordPressで公開・投稿しているときに比べて明らかにインデックスされるスピードが遅いことは事実。
私の以前のブログ: まほウェブ | 魔法使いのwebマーケティング はWordPress製なのですが、やはりインデックスされるスピード、実際に検索結果に上位表示されている記事数は段違いです。
こう思うと、WordPressがSEOに強いと言われる所以も分かる気がしますね…!なんだかんだでSEO面では安心感が強いです。
WordPressそのものの構造もありますが、さまざまなSEOプラグインがインデックスさせるスピードのために役立ってくれます。
WordPress vs. Notion(Super, Wraptas) についてのSEO面での比較については、WordPressブログをNotion製Webサイトに移行することにしました | まほウェブ の記事に記載しています。
テクニカルSEO面からのNotion製ブログ不満点2つ

下記、主にテクニカルSEOの観点から不満が出てきました。
しかし、以前は4つあったテクニカルSEO面でのデメリットが、Super.so側の改善によって2つまで減ってきています。
1: 構造化データが自動的に生成されない
現時点では、Superでは構造化データが自動的には記述されません。 上記2つに比べると、そこまで気になるポイントでもないのですがSEOの面からは構造化データは記述があるに越したことはありません。
Super.soのコミュニティ投稿 SEO related features Wishlist | Super Community にもあるとおり、現時点(2021年11月)では構造化データでの記述は自動生成されません。
Superの Roadmap にも今のところ記載はなく、自動で構造化データを自動生成する機能は持たない予定のようです。
構造化データについては、Schema.orgの構造化データテストツールで記述の有無を確認することができます。
また、Rich Results Test – Google Search Console で確認することも可能。ただしこちらはGoogle がリッチリザルトとしてサポートしている構造化データのみに対応。
諸説ありますが、構造化データを設置することによってインデックスされる可能性が高まるという説もあります。
2: 一覧ページ(データベースへのビューリンク)が二重に作成されインデックスされてしまう
データベースを設置した一覧ページにおいて、設定したURLとは別にもう一つ、データベースへのビューページが作成されてしまいます。
これはSuper.soの側で、該当ページごとにhead内でmetaタグによるリダイレクト(メタリフレッシュ)を設定してやる必要があります。
<meta http-equiv="refresh" content="秒数;URL=URL">
すべてのページに設定させるのは面倒だったので、私は主要なデータベース設置ページにのみリダイレクトを設定させています…!
metaリフレッシュによるリダイレクトで、301リダイレクト(恒久的なリダイレクト)として設定したい場合、リダイレクト秒数は0秒を指定しましょう。
ギャラリーカードのアンカーテキストがない → aタグできちんとマークアップされるようになりました!🎉
Superではデータベースをギャラリービューにすることで、カテゴリーや記事の一覧表示が可能で便利です。しかし、調べてみるとSuperで生成されたギャラリービューのリンクは、アンカーテキストが存在せず、ギャラリービューの画像とテキストの上に、テキストの無いaタグが重なるような構造になっています。そのため、Googleにページ先の情報を伝えることができず、正しくクローリングされない可能性があり、SEO的な観点から見ると良くありません。
これは私も気になりました。aタグにはアンカーテキストを設置してほしいです…!
2022/11/07現在、ディベロッパーツールで確認したところ、きちんとdiv > 「テキストを含んだaタグ 」で表示されるようになっていました!!
後述しますが、Notionでは関連記事ブロックを実装するのにギャラリービューを利用する必要があります。 その際、テキストを含んだaタグでリンクが表示されることは、関連記事同士の内部リンク効果を高める(きちんと記事同士の関連性を伝えられる)ということにも繋がります。
サイトマップ・パンくずリストでの不満 → 解決しました!🎉
サイトマップ・パンくずリストについては当初、Super.soで見られたテクニカルSEO上の問題ですが、現時点では解消されている内容です。
■XMLサイトマップを追加させることができない→Search Console側のエラー?
XMLサイトマップを登録すること自体は必須ではなく、SEO業界でも登録の必要・不要の意見は分かれるのですが、サイト立ち上げ当初はGoogle botにサイト構造を適切に伝え、クローラにインデックスしてもらうためには必要だと思っています。
Super, WraptasともにXMLサイトマップがURL/sitemap.xml に生成されるのですが、Search ConsoleでのXMLサイトマップは適切に提出させることができませんでした…!
何度提出しても「取得できませんでした」というエラーとなります。
ただしこのXMLサイトマップの取得不可エラーは、本来は「保留中です」というメッセージが表示されるべきところが、取得できませんでしたと表示されているだけというSearch Console側エラーの可能性が指摘されています。
→ 何度か再提出を繰り返したあと、久しぶりにSearch Console上のSitemap.xmlを見てみたところ無事に提出が成功していました!(2022/11/07確認)
■パンくずリストがURL構造どおりに表示されない →URL構造どおりに表示されるように改善されました!🎉
また、Superではパンくずリストはあくまでデータベース名が表示され、URL構造通りにはなりません。ここは非常に不満。
本来であれば、パンくずリストはURL階層を示しているべきです。しかし、カテゴリとタグの機能を両立させようとすると、パンくずリストについては目をつぶるしかありません。
新着記事として一覧で表示させることを諦め、カテゴリごとにデータベースを作成すればパンくずリストをURL階層=カテゴリとして表示させることは可能。
SEOを重視するか、ブログとしての有り体を重視するか。
従来はサイトマップのURLが直上のページではなく、全ページにおいて「ベースとなるデータベースのページが間にはさまってしまう」というパンくずリストの問題を抱えていたのですが、現在では解消されています。
従来(NG): Top / Base / 個別記事
現在(OK): Top / 直上ページ名 / 個別記事
先日、Super.soにおいて「ドラッグ&ドロップによってページ階層・位置を移動できるようにさせた」というアップデートがあったのですが、その際にパンくずリストの問題も解決されたようです。
Notion執筆時での不便: カテゴリ・タグ・関連記事の作成に手間がかかる

適切な内部リンクを構築していくためにも、カテゴリ・タグ・関連記事の機能は活用していきたいところ。
しかしNotionではカテゴリ・タグ・関連記事の機能は自動的に生成されないため、自分で作成していく必要があります。
Notion製サイトがインデックスされにくい一因はこの「内部リンクが不十分になりやすい」という点がありそうです。
たとえば WordPressで作成したサイトは、記事ページにもメニュー、カテゴリやタグの一覧を設置できます。
しかし、Notionはスマートフォンでハンバーガーメニューを実装したりもできないためメニューの実装は難しく(CSS頑張ったらいけるのか?)、カテゴリ・タグを各ページに設置するのも工夫が必要。
→ メニューについてはヘッダーナビおよびフッターメニューの設定がSuper.so管理画面上から可能になりました!🎉
ヘッダーナビ: Navbar > Navbar Type > Linksからメニュー項目を設置・並べ替え可能です。スマートフォンからの固定ヘッダー・ハンバーガーメニュー表示にも対応しています。
Notionでのサイト運用は、自然に運用しているだけだと、WordPress製サイトと比べると内部リンクの数と品質が低くなってしまいます。この点はNotion上でカテゴリ・タグや関連記事ブロックなどのリンク設置を手動で行なうことが必要になります。
カテゴリとタグの使い分け
カテゴリ: URL上下構造をもたせる親ディレクトリ
ページは1つのカテゴリしか持ちません。
タグ : 上下構想の関係なく、横断して設置する関連属性
ページは複数のタグをもつことができます。
Notion標準では、カテゴリとタグを両立させることはできない
Notionの仕様では、カテゴリ構造とタグ構造を両立させることができません。
しかし、Super.so側の制御でカテゴリURLの作成ができました!Notion単独では不可です。
ただし、WordPressで利用されているカテゴリとは概念がやや異なり、あくまで「同じカテゴリをまとめるページを作成」としただけ。
Notionでカテゴリ記事一覧を作成するには、タグライブラリまたは通常のタグ機能で単一の属性を付与し、その属性でデータベースを絞り込む必要があります。
カテゴリページはデータベースではなくあくまで「ページ」となるため、タグライブラリのように往復しての行き来はできません。単純な「属性」として付与する形になります。
"Select"プロパティ(単一選択)を作成して、絞り込むのがおすすめ。
仮にサイトを売却(サイトM&A)することになった場合、やや譲渡しにくい・評価が下がる可能性
Notionで制作されたWebサイトは、バックエンドは当然Notionで構築されます。
もしSEOで成功を収めるなどしてWebサイトを譲渡するという話になった場合、このバックエンド側としてのNotion内データベースの内容も譲渡を行う必要がでてきます。 Notion全体のバックアップを作成し、譲渡先のアカウントで復元という流れになるでしょう。
ただ、現在では多くのサイト購入者はWordPressなどのCMS運用を想定していることが主流でしょうから、場合によってはNotionによる運用がマイナス評価となる可能性もあります。
テクニカルSEOで満点でないとしても、Notionのライティング体験は最高。もうWordPressには戻れない…!

テクニカルSEOで100点と言えなくとも、Notionの心地よいライティング体験は手放したくない!
WordPressからNotionへCMSを移行したあと、3ヶ月で42記事を公開できたのは自分でも驚きでした。このテンポの良さはNotionのもたらすライティング体験のなせる業。
WordPress製のブログ: まほウェブ | 魔法使いのwebマーケティング では2年間で100記事の投稿だったことに比べると、実に約3.4倍の公開スピードです。
さらに投稿・公開だけでなく、Notion製ブログでは定期的なリライトも行えています。
もう少し、Notion製ブログの運用を続けてみて、本当にSEO効果が出ないのかを検証していきたいと思います。
Notionブログでも上位1〜3位がとれるように(2022/10/13追記)
2022/10/13追記: いくつかの記事で平均1位〜3位をとれるほどにはSEO評価がついてきました…!キーワード調査はほとんどしていませんし、ガッツリSEOを意識して記事更新している訳ではないので、特に狙わずに自然に上位表示できているのはすごいです。
ビッグキーワードは全然取れていませんが、ミドルキーワード程度ならチラホラという状況です。
@コマンド(メンション)による素早い内部リンク構築
割としっかりと調査し裏付け・参考情報のあるコンテンツになるようにはしているのですが、Notionの意味合いでいうと@コマンドによって、ライティングの最中にNotion内記事検索からページリンクを素早く設置できることが大きいです。
自身のNotionデータベースのなかから瞬時にキーワード検索を行い、合致したページを関連記事のような形でかんたんに設置できます。このことが、関連ページ同士の関連性を蜜にし、適切な内部リンク構築に一役買っているのだと思われます。
Notionによるリライトのしやすさがフレッシュネス評価につながる
さらに昨今では、SEOにおいて「フレッシュネス」の評価比重が高まっている、と言われています。
フレッシュネスとは、「いかにその記事が新鮮か?」「更新され、最新情報へとメンテナンスされているか?」という、更新日時を1つのシグナルとしたSEO評価指標です。(公式にはシグナルとはされていません。あくまでSEO関係者の体感指標です。)
この点、Notionによる運用は「リライト」が大変やりやすいです。キビキビとした素早い動作、デスクトップアプリとして手元にあるように感じられること、素早く該当の記事にたどりつけること、心地よいライティング体験などの要素によって、記事のメンテナンスコストを低く感じることができます。
たとえばWordPressで記事を書いてしまったら、公開後はもうその記事は触りたくないですよね…!
Notionによるブログ運用は、いくつかのテクニカルSEOマイナス面を補って余りあるSEO効果をもたらす
ということで、 super.so × Notion運用におけるテクニカルSEOのイマイチな点を数点述べてきたのですが、それを補ってあまりあるSEO効果を発揮させることができますよ、という元も子もない結論になってしまいました…!
特に個人でブログ運用されている方、チームでスピーディーなコンテンツ運用をしていきたい方。Notionベースのブログ運用・Webサイト運用はSEO面からもおすすめです。
PodcastでもNotionブログのデメリットとテクニカルSEO面の不満について語っています
この記事の気になった箇所を読み返す:
- Notionブログは記事がぜんぜんインデックスされない…!
- 新規ドメインであることもインデックスされにくい要素の一つ。Notionだけが悪い訳ではない
- WordPressと比べると、Notion製ブログは明らかにインデックスされるスピードが遅い
- テクニカルSEO面からのNotion製ブログ不満点2つ
- 1: 構造化データが自動的に生成されない
- 2: 一覧ページ(データベースへのビューリンク)が二重に作成されインデックスされてしまう
- ギャラリーカードのアンカーテキストがない → aタグできちんとマークアップされるようになりました!🎉
- サイトマップ・パンくずリストでの不満 → 解決しました!🎉
- Notion執筆時での不便: カテゴリ・タグ・関連記事の作成に手間がかかる
- カテゴリとタグの使い分け
- Notion標準では、カテゴリとタグを両立させることはできない
- 仮にサイトを売却(サイトM&A)することになった場合、やや譲渡しにくい・評価が下がる可能性
- テクニカルSEOで満点でないとしても、Notionのライティング体験は最高。もうWordPressには戻れない…!
- テクニカルSEOで100点と言えなくとも、Notionの心地よいライティング体験は手放したくない!
- Notionブログでも上位1〜3位がとれるように(2022/10/13追記)
- @コマンド(メンション)による素早い内部リンク構築
- Notionによるブログ運用は、いくつかのテクニカルSEOマイナス面を補って余りあるSEO効果をもたらす
- PodcastでもNotionブログのデメリットとテクニカルSEO面の不満について語っています
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