Notionは万能ツールですが、完璧なCMSというわけではありません。 NotionをWebサイト・ブログ公開用の軽量CMSとして利用すべきかどうか、下記におすすめできるユースケースをまとめてみました。
Notionを軽量CMSとして利用すべきかどうかの判断基準・採用基準は以下のとおり。それぞれのニーズにおいて最も合致するであろうCMSを矢印の先に示しています。
- 情報発信・公開までのスピード、速く・多く記事公開したい場合 → Notion
- SEO効果をより高く得たい場合 → 他CMS(特にWordPress)
- デザイン性の高いWebサイトにしたい場合 → 他CMSまたはNotionをヘッドレスCMSとして
- 厳密なチェック体制やワークフローが必要な場合 → 他CMS
- 社内マニュアルや社内ドキュメントをシームレスに外部発信につなげていきたい場合 → NotionまたはConcrete CMS
- セキュリティ面を重視したい場合 → Notion
目次:
- とにかく速く・多く・スピーディーに情報発信していきたい場合: Notion
- SEO効果をより高く得たい場合: 他CMS(特にWordPress)
- テクニカルSEO面とインデックススピードにおいてNotionはマイナスか
- グローバルナビゲーションメニューの設置 → 改善されました!
- デザイン性を意識したい場合: 他CMSまたはNotionをヘッドレスCMSとして用いる
- NotionをヘッドレスCMSとして活用して、デザインと更新のしやすさを両立させる
- Wraptasやsuper.soでもある程度のデザインは可能だが、細かいところは不可
- 簡便な構成: コーポレートサイトは他CMSやノーコードツールで、ブログはNotion公開ツールで
- 厳密なチェック体制や、ワークフローが必要となる場合: 他CMS
- 社内マニュアルや社内ドキュメントをシームレスに外部発信につなげていきたい場合: Notion(またはConcrete CMS)
- セキュリティ面を重視したい場合: 運用によるが、Notionがおすすめ
とにかく速く・多く・スピーディーに情報発信していきたい場合: Notion
とにかく速く・多く・スピーディーに情報発信していきたい場合:、圧倒的にNotionが優れています。Notionがもたらす快適なライティング体験を味わうと、もうWordPressや他CMSのエディタには戻れません。
参考: NotionをWebサイト・ブログとして公開する4つのメリット。最高のライティング体験と高速表示
Notionは文章ごとにコンポーネントというブロック単位で分離して構成され、コンポーネントはドラッグ&ドロップで簡単に移動できます。アウトライナーとしての優秀さがNotionの快適なライティング体験を生み出している1要素だと言えるでしょう。
Concrete CMSもブロック単位でサイトの要素が構成されますが、粒度がNotionのそれとは異なります。
参考カテゴリ:Concrete CMS
(近年ではWordPressもブロックエディタと呼ばれるエディタを採用しましたね。操作性は最悪だと思いますが…)
粒度が異なるのは、文章ブロックの中身の扱いです。Notionは基本的に1文単位でブロックが区切られますが、Concrete CMSやWordPressでは文章ブロック内で改行しても、ブロックが区切られず複数文でも1つの文章ブロックのままです。
これはConcrete CMSやWordPressが悪い、という訳ではなく、Notionがそもそもドキュメント管理としてのアウトライナー的性格を有しているのに対して、Concrete5やWordPress, WebflowなどのWebサイト用CMSは文章以外の様々な要素を扱う必要があるため、その粒度が大きくなってしまうのです。設計思想の違いと言うことができるでしょう。
またWebサイトを公開するCMSとしてSEOを意識したときに、内部リンクを張り巡らせるのはSEO施策として1つの有用な手段です。
Notionはその点、@コマンドでNotion内の他記事をページ遷移なく検索できるため、ライティング時に意識を途切らすことなく執筆に集中することが可能。
また、Notionはメンバーを招待することで複数人での作業が可能です。
リアルタイム編集で、他ユーザーのカーソルが表示されます。
1人で運用するときでさえライティング効率が大幅にアップしたのですから、複数人での運用の際は数倍の相乗効果が見込めるのではないでしょうか。
SEO効果をより高く得たい場合: 他CMS(特にWordPress)
SEO効果をより高く得たい場合には、Notionよりも他CMSが適していると言えるでしょう。
テクニカルSEO面とインデックススピードにおいてNotionはマイナスか
Super.so × NotionブログのデメリットとテクニカルSEO面2つの不満 での示していますが、Notionの場合はテクニカル面においていくつかの(小さな)問題があることもそうですが、「インデックスされにくい傾向」という点がネックとなります。
特にWordPressはSEOのために最適化されたテーマやプラグインがあり、これらがテクニカルSEOの実践やサイト運営を助けてくれます。
「SEOに強いCMS」というのはそれ単体では存在しないと考えていますが、WordPressは元々はブログ用CMSとして発展してきたことから、「SEO施策をやりやすい」CMSであると考えています。
グローバルナビゲーションメニューの設置 → 改善されました!
また、WebflowやSTUDIO、Concrete CMSなどの通常のWebサイト用CMSではナビゲーションメニューを全てのページに設置することは当然のように可能ですが、Notion製ブログではひと手間必要になります。
まだ検証してませんが、Notionで完璧にナビゲーションメニューを実装することは難しいかもしれません…!特にスマートフォンからの閲覧にどう対応させるかがネックになりそうです。
→ NotionをWebサイト化してくれるツール Super.so においてカスタムメニュー機能が追加実装されました!(2023/01/11追記)
Wraptas においては「ヘッダー右側へのリンク追加」がグローバルナビゲーションメニューに当たるようです。
このナビゲーションメニューや各種内部リンクの固定表示が難しい事は、内部SEO面ではマイナス。
デザイン性を意識したい場合: 他CMSまたはNotionをヘッドレスCMSとして用いる
デザイン性を意識したWebサイトを作りたいという場合には、WebflowやSTUDIO等のNo-Codeサイトビルダーや、WordPress, Concrete CMS等のCMSの方が適しているでしょう。
NotionをヘッドレスCMSとして活用して、デザインと更新のしやすさを両立させる
デザイン性と更新のしやすさを両立させる良い方法として、「NotionをヘッドレスCMSとして利用する」という方法があります。
この方法を用いれば、Webサイトのデザインは独自に制作し、コンテンツ管理部分だけNotionコンテンツを反映させる、という構成をとることか可能です。
Wraptasやsuper.soでもある程度のデザインは可能だが、細かいところは不可
Notionページを丸ごとWebサイト化するWraptasや super.so もある程度のデザインは可能ではありますが、細かいところは触れないものと思っておいた方が良いです。上記と比べるとデザイン自由度は低くなります。
NotionのWebサイト公開用サードパーティツール super.so ではさまざまな美しいデザインテンプレートが公開、販売されています。
簡便な構成: コーポレートサイトは他CMSやノーコードツールで、ブログはNotion公開ツールで
他の簡便な構成として、コーポレート・サービスサイトは他CMSやノーコードツールで作成、ブログのみNotionで運営という手段も取ることができそうです。
私も、魔法使いのWebマーケティング というWordPress製ブログは残したまま、セカンドブログとして super.so × Notionの本ブログを運用しています。
まずは移行ではなく、セカンドブログとして運用してみることをおすすめします。
厳密なチェック体制や、ワークフローが必要となる場合: 他CMS
Notionには、他CMSが備えているような下記機能は持っていません。
- 公開承認、複数決済での承認ワークフロー
- 下書き記事として非公開で保存
- 予約投稿
- ユーザーのログインログ・管理
上記機能が必要な場合には、WordPress等の他CMSが必要になるでしょう。
特に承認ワークフローに関してはConcrete CMSが得意としています。
参考カテゴリ: WordPress | Concrete CMS
しかし、Notionでもチェックボックスとフィルターを用いれば、簡易的な承認機能や下書き記事保存を実装することが可能です。
Notion製Webサイト・ブログで記事を下書き非公開にする3つの方法
super.so でSync URL機能をオフにしておけば、記事公開時にsuper.so側での公開作業が必要となるため、そのステップを承認作業とみなすことができます。
(そもそもSuperのSync URL機能は日本語タイトルだとエラーとなる可能性大なので、オフにしての運用が推奨です。)
ユーザーのログを確認することはできませんが、階層ごとに招待することで一定程度のコントロールが可能。また有料版を契約することでページのログを保存、ロールバックさせることは可能です。(ユーザーのログではないので注意)
社内マニュアルや社内ドキュメントをシームレスに外部発信につなげていきたい場合: Notion(またはConcrete CMS)
社内マニュアルや社内ドキュメントを外部発信用ツールとして、転化させながら利用していきたいという場合にはNotionが非常に便利です。
社内用の非公開ワークスペースから、公開設定をしているワークスペースにドラッグ&ドロップさせるだけ。一瞬で公開・非公開と配置階層を切り替えることができます。
また、Notionほどのスムーズさはありませんが、社内と社外とのシームレスな資料連携はConcrete CMSが得意としています。
外部から受け付けたフォームを、そのまま社内のイントラネットにてシームレスに利用することが可能です。そのような大企業での利用事例もあるようです。
セキュリティ面を重視したい場合: 運用によるが、Notionがおすすめ
(執筆準備中)
この記事の気になった箇所を読みかえす:
- とにかく速く・多く・スピーディーに情報発信していきたい場合: Notion
- SEO効果をより高く得たい場合: 他CMS(特にWordPress)
- テクニカルSEO面とインデックススピードにおいてNotionはマイナスか
- グローバルナビゲーションメニューの設置 → 改善されました!
- デザイン性を意識したい場合: 他CMSまたはNotionをヘッドレスCMSとして用いる
- NotionをヘッドレスCMSとして活用して、デザインと更新のしやすさを両立させる
- Wraptasやsuper.soでもある程度のデザインは可能だが、細かいところは不可
- 簡便な構成: コーポレートサイトは他CMSやノーコードツールで、ブログはNotion公開ツールで
- 厳密なチェック体制や、ワークフローが必要となる場合: 他CMS
- 社内マニュアルや社内ドキュメントをシームレスに外部発信につなげていきたい場合: Notion(またはConcrete CMS)
- セキュリティ面を重視したい場合: 運用によるが、Notionがおすすめ
Category: Notion
Tag: Notion | CMS一般 | Super.so | WordPress | concrete CMS / concrete5